原子力産業新聞

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新潟県 福島第一原子力発電所事故に係る「3つの検証」完了へ

01 Feb 2023

会見を行う新潟県・花角知事(インターネット中継)

新潟県が福島第一原子力発電所事故の検証のため設置している「健康と生活への影響に関する検証委員会」の健康分科会(座長=鈴木宏・新潟大学名誉教授)は、1月30日の会合で、最終報告書を概ね了承した。県では、福島第一原子力発電所事故を受け、「事故原因」、「事故が健康と生活に及ぼす影響」、「万一事故が起こった場合の安全な避難方法」の3つの検証を有識者による委員会で進めてきたが、これですべての検証に係る報告書が出そろうこととなる。

花角英世知事は2月1日の定例記者会見で、約5年半にも及んだ同分科会における地道な議論に対し謝意を表明。3つの検証は、県が柏崎刈羽原子力発電所再稼働の是非に係る議論開始の前提としており、今後、「新潟県原子力発電所事故に関する検証総括委員会」で、各報告書の総括が行われる運びだが、花角知事は「これからどういう議論の進め方をするかは、最終的に検証が終わったところで議論を始めたい」とし、明確な方向性は示さなかった。

健康分科会の最終報告書では、事故の複合災害としての検証結果として、「原発の『安全神話』を過去のものとし、『想定外』が常に起こることを前提とした対応が常に求められる時代を迎えたことが明確になった」と指摘。原子力事故対応に当たる専門家や行政担当者への基本的要望として、「原子力事故データが国民に帰属するとの認識の保持、情報の透明性の担保、情報の解析に基づく活動への説明責任の遂行」をあげた上で、通常時対応、事故発生時緊急対応、事故後の中長期的対応に大別し、計26項目を提言。原子力事故の環境や健康への影響に関する「ヘルスリテラシー」の向上や、事故後、10年ごとの節目などを捉え、国内外アカデミアと市民を含む第三者組織による原子力事故対応活動の検証を継続することも求めている。

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