原子力産業新聞

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ALPS処理水 IAEAの包括レビューミッションが終了

05 Jun 2023

IAEAと日本側との会合の模様(資源エネルギー庁発表資料より引用)

福島第一原子力発電所で発生するALPS処理水[1] … Continue readingの海洋放出に関するIAEAの包括レビューミッションが6月2日、全日程を終了した。〈資源エネルギー庁発表資料は こちら

今回のミッションは、日本政府とIAEAとの間で2021年7月に署名された「ALPS処理水の取扱いに係る包括的な協力枠組みに関する付託事項」に基づきこれまで行ったALPS処理水に関する

  1. 安全性に関するレビュー
  2. 規制に関するレビュー
  3. 独立したサンプリング・データの裏付け分析

――を総括するもの。そのうち、「独立したサンプリング・データの裏付け分析」に関しては5月31日に、海外の研究機関も含めたデータ分析により「ALPS処理水に関する正確かつ詳細な測定を実施した東京電力の能力について、IAEA調査の結果、信頼に足るとの結論に達した」とする報告書が公表されている。

包括レビューミッションでは、グスタボ・カルーソ氏(IAEA原子力安全・核セキュリティ局調整官)ら、8名のIAEA職員と9名の国際専門家(アルゼンチン、オーストラリア、カナダ、中国、韓国、フランス、ロシア、米国、ベトナム)が5月29日に来日。一行は、日本政府および東京電力と会合を行い、IAEA国際安全基準に基づいて技術的事項を議論するとともに、6月2日には現地を訪れALPS処理水の海洋放出に関する工事の進捗状況を確認した。〈東京電力発表の現地視察動画は こちら

今回のレビューミッションの議論については、IAEAが年央を目途に公表予定の包括報告書に反映される。

脚注

脚注
1 多核種除去設備(ALPS)等により、トリチウム以外の放射性物質について安全に関する規制基準値を下回るまで浄化した水。海水と混合し、トリチウム濃度を1,500ベクレル/リットル(告示濃度限度の40分の1)未満に希釈した上で放水する

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