原子力産業新聞

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三菱総研 核燃料サイクルの将来に向け提言

11 Oct 2023

三菱総研がまとめた次世代炉の核燃料サイクルにおける特徴(同社発表資料より引用)

三菱総合研究所は9月21日、「ウラン資源の確保」と「利用目的のないプルトニウムを持たない」ことを柱とする、核燃燃サイクル全体を俯瞰した次世代炉の望ましい炉型の組合せ「次世代炉ベストミックス」の考え方を発表した。〈三菱総研発表資料は こちら

その中で、同社は、2月に閣議決定された「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」など、原子力発電所の開発・建設に向けた政府方針策定の動きから、「次世代炉導入は各炉の技術的特徴・役割等を中心に複数の評価軸で議論が進められている」と評価。一方で、次世代炉の再処理方針を含む核燃料サイクルの今後のあり方や開発方針については、「依然として言及されていない」と厳しく指摘。使用済燃料に含まれるウラン、プルトニウムを再処理によって取出し燃料に加工して再利用する現行の政策路線「クローズドサイクル」を、今後、導入される次世代炉についても採用するかは、「議論の上、決定する必要がある」と問題提起している。

その上で、日本の核燃料サイクルにおいて、

  1. 安全保障の観点から、発電に必要なウラン資源を確保する
  2. 核不拡散の観点から、利用目的のないプルトニウムを持たずに保有量を必要最小限にとどめる

――必要性をあらためて強調。これまでの軽水炉主体だった日本の原子力発電を踏まえ、次世代炉を導入するに当たり、核燃料サイクルに組み込まれる炉型の多様化が想定されることから、「どのような炉型を、どのようなタイミングで、どれくらいの量、導入していくのが理想的であるかを議論の上、決定する『次世代炉ベストミックス』の考え方」を提唱している。

例えば、高温ガス炉では、再処理の技術的難易度が高い被覆粒子燃料を使用することから、「再処理を選択しない場合、高温ガス炉の割合が大きくなるほど、核燃料サイクル全体で見たときのウラン資源有効利用の効果が小さくなる。結果的に多くのウラン資源が必要になる」と指摘。多量のプルトニウムが燃料として必要となる高速炉では、並行する軽水炉利用にも関連し「高速炉での利用に向け、プルトニウムを一定量貯蔵するなどの考慮が必要」と、プルサーマル発電の計画的実施の必要性に言及している。

これらを踏まえ、今回の三菱総研による提言では、「核燃料サイクルの絵姿」を時系列で描くシナリオを複数設定し、比較評価を行う必要性を指摘している。

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