原子力産業新聞

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「もんじゅ」サイトの新試験研究炉 日米協力も進む

02 May 2024

石川公一

「もんじゅ」サイトに設置される新試験研究炉のイメージ

「もんじゅ」サイトに設置が計画される新たな試験研究炉の開発・整備に向けて、今後の設計具体化を見据えた核拡散抵抗性に係る国際協力が進んでいる。

増子宏文部科学審議官とジル・ルビー米国エネルギー省(DOE)国家安全保障庁長官は4月25日、都内で会談を行い、日米が連携し、DOEによる核不拡散・核セキュリティの取組「Pro-X」(Proliferation Resistance Optimization)への協力を進めることで合意した。「Pro-X」は、試験研究炉の設計段階から核拡散抵抗性の概念を導入することを目的として、DOE国家安全保障庁が2019年から開始した取組だ。アジア地域を中心とする原子力新興国では現在、医学・農業・環境保全分野でのRI・放射線利用が進められており、将来的に原子力発電の導入も見込まれている。今回の日米合意には、「もんじゅ」サイトの新試験研究炉とともに、こうした新興国における研究炉の核拡散抵抗性を高めていくことも盛り込まれた。〈文科省発表資料は こちら

現在、廃止措置中にある「もんじゅ」のサイトを活用した新試験研究炉は、熱出力10MW級の照射機能を有する中性子ビーム炉。2022年12月に、詳細設計段階以降の実施主体として日本原子力研究開発機構が選定され、京都大学、福井大学の協力も得ながら、設計検討が進められている。

産業分野でも多くの成果をあげている中性子利用に関しては、いずれも東海村に立地する原子力機構の研究炉「JRR-3」、大強度陽子加速器施設「J-PARC」が稼働中だ。一方で、京大炉「KUR」が2026年までに運転を終了することなどから、新試験研究炉は、今後の「西日本における中核的拠点」として機能することが期待されている。原子力機構は、2023年11月に三菱重工業を新試験研究炉の設計・製作・据付を実施する主契約企業に選定し、基本契約を締結した。今年度中にも設置許可申請の見込み時期が提示される予定。

文部科学省の有識者による作業部会では、新試験研究炉の研究開発・人材育成や産業利用としてのあり方について、現在、検討を行っている。4月18日に行われた同作業部会では、新試験研究炉の運転開始までを見据えた「原子力研究・人材育成の拠点形成に向けたロードマップ」(素案)が示された。「利用促進体制の確立」、「複合拠点の整備」、「人材育成機能の強化」が柱となっており、今後、「敦賀エリアでの原子力研究・人材育成拠点の形成」に向けて、ワーキンググループを設置しさらに検討を深めていく見通しだ。〈作業部会配布資料は こちら

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