原子力産業新聞

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電事連「Conちゃん」 脱炭素電源でインタビュー

07 May 2024

石川公一

電事連キャラ「Conちゃん」が山本氏にインタビュー

電気事業連合会の広報キャラ「Conちゃん」が、およそ半年ぶりに登場だ。

電事連は、「あなたとエネルギーをつなぐ場所」をコンセプトとした広報サイト「Concent」を開設し、インタビュー、コラム、マンガを通じて、生活者の視点からエネルギーについて考えさせるコンテンツを随時、掲載してきた。2018年3月より、これまでに掲載された記事数は300件を超える。「Conちゃん」が専門家とのインタビューや現場取材を紹介するシリーズ「Conちゃんが行く!」もその一つ。「Conちゃん」は5月1日の記事で、地球温暖化対策からみた日本を取り巻くエネルギー事情に関し、2回にわたり国際環境経済研究所所長の山本隆三氏にインタビューしている。

「これからの時代、火力発電って必要なの?」、前編ではまず、2023年11~12月のCOP28(ドバイ)で合意された石炭、石油、LNGなどの「化石燃料からの移行を進める」という記載に関し、「Conちゃん」が質問。日本では、東日本大震災以降、全国の原子力発電所が順次停止したことなどから、火力発電が発電電力量の約7~8割を占めている。「本当に移行できるの?」と、疑問に思ったのだ。これに対し、山本氏は、COPの広義での意味、1995年以来、気候変動対策について話し合ってきた経緯などを説明。COP28の成果に関しては、「グローバルストックテイク」(GST)という進捗評価がなされたほか、今回、原子力が気候変動に対する解決策の一つして正式に明記されたことを強調する。

「本当に移行できるの?」について、山本氏はまず、石炭に依存する中国・インドのエネルギー事情について述べた上で、「再生可能エネルギーを増やすにもバックアップとして火力発電が必要だ」とするとともに、原子力発電についても、運転までのリードタイムや安全対策などの課題をあげ、脱炭素電源への移行は非常に難しいことを考えさせる。

後編では、脱炭素社会の実現と経済成長の両立について考える。「そもそもなんで日本は火力発電の割合がこんなに大きいの?」と、「Conちゃん」は問う。「Conちゃん」は、山本氏とのやり取りで、昨今のウクライナ情勢を受けた世界のエネルギー事情を始め、送電ロスを減らす日本の技術を通じた「火力と環境の共存」、原子力を増やす上での技術継承・人材育成、データセンター・半導体工場の増加に伴う電力需要増などについて理解を深めていく。

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