中国電力 上関に中間貯蔵施設の立地可能と判断
08 Sep 2025
中国電力は8月29日、山口県上関町における使用済み燃料の中間貯蔵施設の設置に係る立地可能性調査の結果、「技術的に対応できない問題はない」と評価し、立地が可能であると判断。その旨の報告書を、上関町の西哲夫町長に提出した。
同社は、2023年2月に上関町長から地域振興策検討の要請を受け、同年8月、上関町大字長島の同社敷地内にて、乾式貯蔵による中間貯蔵施設の設置検討・調査を進めてきた。
特に調査のポイントとして定めたのが、地盤に関する調査だった。施設の直下に、将来活動する可能性のある断層等が存在する場合、中間貯蔵施設の設置は困難(設計による技術的な対応が困難)となることから、ボーリング調査を実施するなど入念な調査を進めた。
そしてこの度、同調査により得られた客観的なデータに基づき分析を行った結果、ボーリング調査地点から概ね半径30kmの範囲の陸域に分布する主な活断層が3本、周辺海域に35本の活断層があることを確認したが、耐震設計等に適切に反映することで対応可能であると判断。基礎地盤等は中間貯蔵施設の設置に適した岩盤であると確認された。
また、周辺の気象、火山、水理、生態系などの自然環境や、周辺の産業活動、交通状況など社会環境への影響に関する調査においても、中間貯蔵施設の建設が影響を及ぼすものではないことが確認され、「技術的に対応できない問題はない」との評価に至った。
同社は今後、中間貯蔵施設の規模や着工時期などを盛り込んだ事業計画を策定する予定だ。着工されれば、原子力発電所の敷地外としては、青森県むつ市のリサイクル燃料備蓄センターに次いで全国で2例目。同施設は関西電力との共同運用を想定している。
同社はウェブサイトにて、「調査結果を分かりやすく地域の皆さまにお知らせし、一層のご理解をいただけるよう取り組んでまいります」とコメントしている。