北海道・東北の水産業を応援 新橋で「シーフードフェア」開幕
20 Nov 2025
北海道・東北の水産業を応援する「シーフードフェア」が11月20日、東京・JR新橋駅前SL広場で始まった。福島第一原子力発電所のALPS処理水の海洋放出を契機にスタートした取り組みで、今年で3回目を迎える。会場には浜焼きの香ばしい香りが漂い、初日から多くの来場者でにぎわった。
実行委員会の一員である東京電力は、ALPS処理水の海洋放出以降、販売促進を目的とした「ホタテ応援隊」の活動を継続。今年から対象地域を北海道・東北全体に広げ、イベント名を「ホタテ祭り」から「シーフードフェア」に改めた。
会場には9つのブースが並び、うち4つが初出店。青森県産ホタテ焼き、福島県産メヒカリやアンコウのから揚げ、宮城県産ホヤのほか、水産加工品、日本酒、クラフトビールなど多彩な品が提供された。約400席が設けられているが、実行委員会によると例年2日間ほぼ満席状態が続き、昨年は全店合わせて8,500食を完売したという。
午後3時の開場と同時に、多くの来場者が足を運んだ。福島県の海産物専門店「おのざき」の担当者は「多くの方に常磐もののおいしさを知ってほしい」と話す。販売現場の実感として、来場者の関心の中心は「処理水問題」よりも水産物そのものの品質に向いているという。来場した女性は「SNSで知って立ち寄った。メヒカリのから揚げは初めてなので楽しみ」と笑顔を見せた。
一方、水産業は課題も抱える。中国による日本産水産物の輸入停止措置が実質継続しているほか、海面水温の上昇による漁獲量の減少も懸念されている。ホタテ焼きを販売する青森県漁業協同組合連合会の担当者は「例年は7~8万トン採れていたホタテが、今年は1万トン程度に減少している。たくさん食べてほしいが、出せるものが少ないのが現状だ」と話していた。
フェアは明日21日まで開催される。開催時間は午後3時から午後8時。





