原子力産業新聞

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梶山経産相、高レベル放射性廃棄物処分は「必ず実現しなければならない重要な課題」と強調

25 Aug 2020

会見を行う梶山経産相(インターネット中継)

梶山弘志経済産業相は8月25日の閣議後記者会見で、高レベル放射性廃棄物の処分地選定に向けた調査受入れを北海道寿都町が検討しているとの報道に関し、最終処分は原子力発電の恩恵を享受してきた現世代の責任として「必ず実現しなければならない重要な課題」との認識を改めて示した。

高レベル放射性廃棄物の最終処分(地下300m以深の地層に処分)については、計画的かつ確実な実施を目指し、2000年の最終処分法制定に基づき、実施主体として原子力発電環境整備機構が設立された。2002年より同機構が調査受入れ自治体の公募を開始し、これまで高知県東洋町による応募(2007年)があったものの取り下げられている。処分地選定に向けて同法で定められた調査は、3段階(文献調査:2年程度、概要調査:4年程度、精密調査:14年程度)に分けられ、調査の各段階で結果を公表し、次の調査段階へは改めて知事と当該市町村長の意見を聴いた上、反対の場合は先へ進まないこととなっている。文献調査は、調査の第1段階として地域固有の文献・データなどの検討材料を収集・提示する「対話活動の一環」だが、放射性廃棄物が持ち込まれることなどへの不安の声もあるため、梶山経産相は、地域に対しその位置付けについて積極的な情報提供・説明を行っていく考えを強調した。

一方、北海道の鈴木直道知事は寿都町での調査に対し慎重な姿勢を示しているが、これに関し、菅義偉官房長官は24日の記者会見で、高レベル放射性廃棄物処分に対する問題意識を示した上で、「適切なタイミングで知事の意見を聴きたい」と述べている。

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