原子力産業新聞

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東京電力、日本海溝津波想定を踏まえ福島第一の防潮堤強化

15 Sep 2020

日本海溝津波防潮堤の基本構造(東京電力発表資料より引用)

東京電力は、内閣府が4月にまとめた日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に伴う津波想定に関する評価を踏まえ、福島第一原子力発電所において、新たに「日本海溝津波防潮堤」を設置するなど、津波対策を強化する。9月14日に行われた原子力規制委員会の福島第一原子力発電所に係る監視・評価検討会で報告されたもの。

日本海溝津波防潮堤の平面図(東京電力発表資料より引用)

東京電力は、内閣府が切迫性を示した日本海溝津波について、福島第一原子力発電所沿岸における津波解析、敷地内の影響評価を実施。それによると、日本海溝津波の高さは、現在「千島海溝津波防潮堤」(全長600m、高さ11m)の設置工事が進められている1~4号機側で10.8~14.1m、4号機側で11.3~15.3mだった。

これを踏まえ、同社は、年度内に「千島海溝津波防潮堤」の補強工事を実施し、高さ11mを超える津波が来襲した場合の被害の最小化に備える。続いて、1~4号機側で高さ約13~15 m、4号機側で高さ14~16 mの「日本海溝津波防潮堤」を新設。新たに設置する防潮堤は、道路兼用となっており、2021年度着工、2023年度完成を目指す。いずれの工事も、アッシュクリートと呼ばれる石炭灰(広野火力発電所で燃焼後発生)とセメントを混合させた人口地盤材料を活用する。

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