原子力産業新聞

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杉本福井県知事、議会に美浜3号機など3基の40年超運転に関する議論を要請

16 Feb 2021

福井県の杉本達治知事は2月16日、定例県議会の開会に際し、2021年度予算案、県政を巡る諸課題などについて説明し、その中で、関西電力美浜3号機、同高浜1、2号機の再稼働について議会での議論を求めることを表明した(=写真、オンライン中継)。3基とも2016年に原子力規制委員会により60年までの運転期間延長に係る設置変更許可が得られている。

杉本知事はまず、13日に発生した福島県沖を震源とする大地震の被災地に対し見舞いの言葉を述べた上で、県としても先般嶺北地方を襲った大雪に伴う被害状況に鑑み、防災対策の強化に一層努めていく考えを強調した。

原子力政策に関し、知事は12日に行われた梶山弘志経済産業相、森本孝関西電力社長とのTV会談について報告。それによると、森本社長からは、県外における使用済燃料の中間貯蔵に関し、むつ中間貯蔵施設(青森県むつ市、東京電力と日本原子力発電が設立したリサイクル燃料貯蔵が建設)の共同利用への参画希望が表明され、国や電気事業連合会と一体となって地元理解に取り組むとともに、同施設以外の検討も含めあらゆる可能性を追求していく考えが述べられたとしている。さらに、森本社長は、使用済燃料の県外搬出に向け「2023年末を期限に計画地点を確定するとし、期限までに実現できない場合は、確定までの間、美浜3号機、高浜1、2号機を運転しない」方針を明示。また、資源エネルギー庁より同計画地点の確定に向けて関係者の理解確保に最善を尽くすとの考えが示されたとし、知事は、関西電力による使用済燃料対策に関し、(1)一定の回答があった、(2)計画地点の確定期限が明示された、(3)確定に向けた関西電力と国の覚悟が示された――ものとして、「新しい課題の議論に入る前提は満たしたものと考えている」と結論付けた。

加えて知事は、年明け後の政府・原子力防災会議による美浜地域の緊急時対応取りまとめ(1月8日)、高浜1、2号機の新規制基準適合性に係る保安規定認可(2月15日)などに言及。「美浜3号機と高浜1、2号機に関する許認可や防災対策の手続きは整った」とし、県として、国や事業者に求めている事項への対応を確認し、原子力安全専門委員会においてプラントの安全性について審議する考えを述べるとともに、議会に対し「再稼働について慎重に議論してもらいたい」と表明した。

この他、知事はエネルギーを活用した地域振興に向けて、2020年3月に策定された「嶺南Eコースト計画」を通じ、原子力ビジネスの創出や研究炉利活用のプロジェクトに取り組んでいく意欲を示した。

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