原子力産業新聞

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規制委が中国電力・清水社長らと意見交換

29 Nov 2019

島根3号機での検査官実務訓練の模様(2018年4月、原子力規制委員会提供)

原子力規制委員会は11月28日の臨時会議で、中国電力の清水希茂社長らと意見交換を行った。同委が原子力事業者の経営トップを順次招き実施しているもの。

清水社長は、島根原子力発電所の安全性向上に向けて実施している「リスク情報等の活用」、「自然災害への対応」、「原子力防災」、「技術力の維持・向上」、「広報活動」などの取組状況を説明。その中で、11月8~10日に実施された政府主催の原子力総合防災訓練の概要を報告し、得られた課題や改善事項については、今後、自社主催で実施する訓練へも反映させ、検証していくとした。

これに対し、地震・津波関連の審査を担当する石渡明委員は、先の総合防災訓練で地震に伴う津波発生が想定されていなかったことから、「是非色々な厳しい気象条件を想定した訓練に努めて欲しい」として、自然災害に対する感受性を高めていくよう要望。

また、山中伸介委員は、島根3号機で新検査制度導入に備えた検査官の実務訓練が実施されたことへの謝意を表した。さらに、現在、島根1、2、3号機がそれぞれ廃止措置中、新規制基準適合性に係る審査中、建設中と、異なる段階にあることに関し、「人材育成には非常によい環境となっており、是非活用して現場力を養って欲しい」と期待を寄せた。

現在島根2号機は審査が大詰めとなっているが、更田豊志委員長は、審査における事業者側との「共通理解」の重要性を改めて強調した上で、同委が随時実施している原子力部門責任者との意見交換(CNO会議)など、技術的課題について実務者レベルでの接点を密にする必要性を述べた。

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