原子力産業新聞

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米GNF 次世代燃料「GNF4」を発表

15 Oct 2025

桜井久子

ウィルミントンにあるGNF燃料製造施設
© GE Vernova Hitachi

米グローバル・ニュークリア・フューエル(GNFGEベルノバ社が主導する日立製作所とのアライアンス)は106日、次世代の原子炉燃料「GNF4」を発表した。これは、60年にわたる沸騰水型炉(BWR)燃料設計を基盤に開発されたもの。

11×11構造の「GNF4」は、これまでの「GNF2」および「GNF3」で培われた運転実績を踏まえ、米原子力規制委員会(NRC)によって認可された2つの先進的な構成要素―「ジロン(Ziron)製被覆管」と「アルミノシリケート(Aluminosilicate)を添加した二酸化ウランペレット」を備えている。

ジロン製被覆管は、腐食への耐性を高めるために開発され、これまでに世界中で175,000体以上のGNF燃料集合体に使用されてきたジルカロイ(Zircaloy-2被覆管の改良版。アルミノシリケート[1]アルミニウムとシリコンを含む化合物で耐熱性や化学的安定性に優れる。を添加した二酸化ウランペレットで、さらに高い信頼性を実現。このほかGNF4では、GNF独自のNSFZr-Nb-Sn-Fe合金)チャンネルボックスおよびDefender+異物除去フィルターも採用している。

GNF4は、ノースカロライナ州ウィルミントンのGNF製造施設で製造。性能と信頼性の向上により、メガワット時あたりの燃料コストを低減できるよう設計されている。先行使用の燃料集合体は2026年に配備予定で、2030年には全面的に利用可能になる予定であるという。

脚注

脚注
1 アルミニウムとシリコンを含む化合物で耐熱性や化学的安定性に優れる。

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