原子力産業新聞

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ウズベキスタン SMR建設プロジェクトの掘削工事が開始

21 Oct 2025

桜井久子

建設サイトにおける掘削工事開始の式典 © Uzatom

ウズベキスタン東部のジザク州ファリシュ地区において109日、ロシア製SMR建設プロジェクトの初号機の原子炉建屋の基礎掘削工事が開始された。同サイトでは2基のSMRに加えて、大型炉2基を建設する。

ウズベキスタン原子力庁(ウザトム=Uzatom)のA. アフメドハジャエフ長官とロシア国営原子力企業ロスアトムのA. リハチョフ総裁が、オンラインで掘削工事開始の式典に参加した。建設されるロシア製SMRRITM-200N。舶用炉を陸上用に改良したPWRで、熱出力19kW、電気出力5.5kW。設計運転年数は60年。ロシア製SMRの海外輸出プロジェクトは、これが初めて。ロシア国内では、サハ共和国北部のウスチ・クイガ村で建設プロジェクトが進行中である。ジザク・サイトでの建設作業では、広範囲に地元企業が参画している。掘削工事では、150万㎥の土砂が掘削され、掘削深度は13mに達するという。並行して、エンジニアリング調査や設計、準備作業が進行中。今年末までにSMRの設計文書が作成され、20263月には初号機の初コンクリート打設を予定している。同プロジェクトは段階的に実施され、SMRに続いて大型炉の稼働を計画しており、今後、大型炉の設計作業にも取り掛かる予定である。

当初、ジザク州には20245月の建設契約に基づき、RITM-200N×6基の建設を予定していたが、926日、モスクワで開催されたロスアトム主催の国際フォーラム「世界原子力ウィーク」(WNW)において、RITM-200N×2基ならびに大型炉VVER-1000×2基を建設する原子力発電所プロジェクトとし、同プロジェクトへの燃料供給も含めて合意された。近代的な低出力の先進炉と実績ある高出力の原子炉の両方が同じサイトで稼働することになる。

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