UAE フランスもバラカへ燃料供給へ
09 Dec 2025
仏燃料製造大手フラマトム社は11月25日、アラブ首長国連邦(UAE)で運転中のバラカ原子力発電所(APR1400、140万kWe×4基)向けに、先行試験用燃料集合体(LFA:Lead Fuel Assemblies)を製造したと発表した。同LFAは米国ワシントン州リッチランドの施設で製造された。同施設は加圧水型炉向け燃料の供給実績がある。
バラカ発電所を運営する原子力事業会社ENEC社とフラマトム社は今年7月に燃料供給契約を締結。今回の試験用燃料の導入は、これまでの韓国電力公社(KEPCO)系以外にも燃料供給先を求めるENEC社の長期戦略に基づいている。UAEでは、バラカ発電所が国の電力需要の約25%を担う見通しであり、燃料供給の多様化はエネルギー安全保障上の重要課題と位置づけられる。
製造されたLFAは、新設計の安全性や性能、既存燃料との互換性を評価するための試験用燃料。評価結果に応じて改良が加えられ、次の段階であるLTA(Lead Test Assemblies)による本格試験に進み、合格すれば「通常燃料」として採用される。フラマトム社によると、今回のLFAはバラカ発電所に搬入され、「燃料適格性プログラム」の一環として実運転条件下で安全性、互換性、性能が評価・検証される。複数サイクルにわたる試験を経て適格性が確認されれば、商業使用への移行を目指す。
フラマトム社は、バラカで採用されている韓国製APR1400の基礎となったシステム80プラス(米コンバッション・エンジニアリング社が開発した改良型PWR)系向け燃料を40年以上にわたり製造してきた実績を持つ。





