原子力産業新聞

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台湾 米ホルテック製乾式貯蔵施設を設置へ

24 Dec 2025

桜井久子

國聖発電所 © TPC

米国のバックエンド大手ホルテック・インターナショナル社は128日、台湾で閉鎖済みの金山(Chinshan)および國聖(Kuosheng)両原子力発電所(いずれもBWR)において、屋内型の乾式使用済み燃料貯蔵施設を設置するためのターンキー供給契約を、厳格な入札プロセスを経て、台湾電力(TPC)と締結したと発表した。

ホルテック社は、本プロジェクトをアジア太平洋地域における最も重要な使用済み燃料貯蔵関連の調達案件の一つと位置づけている。同社は35年以上前にも両発電所での湿式貯蔵プロジェクトでTPCと協力した実績がある。今回の契約下でホルテック社は、150体以上の多目的キャニスター型の乾式貯蔵システムおよび関連機器を供給するほか、両発電所サイトで屋内型の乾燥貯蔵施設の設計、設置、試運転サービスを提供する。

これらの施設は、台湾の環境および原子力規制当局によって認可を受ける予定。採用される乾式貯蔵システムは米国における適合証明(Certificate of Compliance)に基づき、ブラジル、メキシコ、スロベニア、スペインなど複数の規制当局によって既に認可・運用実績があるという。

なお、ホルテック社は台湾のエンジニアリングおよび建設会社と協力するほか、現地に地域オペレーションセンターとして機能する、ホルテック台湾を設立する。

金山発電所と國聖発電所は、いずれも台湾北部に立地するBWR。与党・民進党政権の掲げる「2025年の脱原子力国家(非核家園:原子力発電のないふるさと)の実現」政策により、金山12号機はそれぞれ201812月、20197月に閉鎖。國聖12号機は202112月、20233月に閉鎖された。なお台湾電力は、國聖発電所は運転再開の可能性があると評価しており、運転再開の計画を20263月に、核能安全委員会(原子力安全委員会)に提出する予定

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