米Meta社 データセンター向け電力確保で原子力関連3社と契約
19 Jan 2026
米IT大手のメタ・プラットフォームズ(Meta)社は2026年1月9日、米電力大手のビストラ(Vistra)社、先進炉開発企業のテラ・パワー(TerraPower)社、オクロ(Oklo)社の3社と、電力調達や開発支援を含む契約を相次いで締結した。データセンターやAIインフラの稼働に必要な電力の安定的な確保を目的としており、オハイオ州ニューアルバニーで建設が進む大規模AIインフラ「プロメテウス」など、同社の事業を支える次世代データセンター向けに電力を供給する。
「プロメテウス」は、大規模なAI計算設備を集約した計算拠点で、Meta社の大規模AIモデルの学習や運用を支える基盤となる。ニューアルバニーではすでにMeta社のデータセンターが稼働しており、プロメテウスはその拡張・増設計画の一環。M. ザッカーバーグCEOは2025年7月、SNSへの投稿で、同施設を1GW(100万kW)級規模として言及している。Meta社は2025年6月にも電力大手のコンステレーション・エナジー社と、イリノイ州で運転するクリントン原子力発電所(BWR、109万8,000kW)から電力を20年間購入する電力購入契約(PPA)を締結しており、データセンター稼働を見据えた原子力の活用を拡大している。
3社の契約内容は以下の通り。
ビストラ(Vistra)社
Meta社は、同社が運営するペリー原子力発電所(BWR、131万6,000kW)、デービス・ベッセ原子力発電所(PWR、95万3,000kW)、ビーバー・バレー原子力発電所1号機、2号機(PWR、1号機98万7,000kW、2号機97万6,000kW)から210万kW超の電力を20年間購入するとともに、3原子力発電所で合計43万3,000kWの出力増強を支援する。
テラ・パワー(TerraPower)社
ナトリウム冷却高速炉「Natrium炉」の商用化を目指しており、現在ワイオミング州で建設計画が進行中。2025年12月には、Natrium炉が米原子力規制委員会(NRC)の最終安全評価を完了している。Meta社は、この技術を用いた2基の新たなNatriumユニット(計最大69万kW)の開発を支援し、早ければ2032年の供給開始を見込む。さらに、2035年までに納入予定の最大6基、計210万kW分の発電能力に相当するエネルギー使用権も取得する。
オクロ(Oklo)社
開発中の「オーロラ(Aurora)」は、高速炉設計を採用し、構造を簡素化することで長期間の安定運転を目指す小型炉で、金属燃料を用いる点が特徴。現在、アイダホ国立研究所(INL)敷地内で建設準備が進められている。Meta社との契約では、オハイオ州パイク郡で新たな原子力エネルギー開発を進め、先進的な原子力技術キャンパスを整備する計画。早ければ2030年の稼働を目指し、最大120万kWの電力を同州含む米東部の電力網に供給する。
これら一連の取り組みにより、Meta社は2035年までに最大660万kWの電源を確保する見通しだ。同社最高対外関係責任者のJ.B. カプラン氏は、「当社は米国史上、最も重要な原子力エネルギー購入企業の一つとなった。最先端のデータセンターとAIインフラは、米国がAI分野で世界的リーダーであり続けるために不可欠であり、原子力はその基盤を支える」とコメントした。同社は、データセンターで使用するエネルギー・コストは全額同社が負担し、一般消費者に転嫁されることはないとしている。





