米NANO マイクロ炉の韓国展開へ
21 Jan 2026
米国の先進原子力エネルギー企業であるナノ・ニュークリア・エナジー(NANO Nuclear Energy)社は1月12日、韓国のダンソク社(DS Dansuk)と、ナノ社製マイクロモジュール炉(MMR)を韓国における開発、現地化、展開協力に向けた覚書(MOU)を締結した。
ダンソク社は、バイオエネルギーやリサイクル事業を手掛ける、韓国有数の資源循環企業。本MOUにより、同社はナノ社の主要な現地産業コーディネーターとして、サイト選定、サプライチェーンの現地化、規制・制度面における関係者との連携を支援するとしている。
特に、ダンソク社はナノ社に、以下へのアクセスを支援するという。
- 信頼性が高く、排出ゼロのベースロード電力を求める韓国の産業顧客候補
- ナノ社が開発する高温ガス炉技術の中核であるモジュール化・複製可能な設計を活用した現地化を支援する、国内製造およびサプライチェーンパートナー
- 主要な規制・制度関係者および規制環境に関する知見
- 人材育成や原子力イノベーションを支援する大学・研究機関
ナノ社は、ダンソク社のネットワークを活用することで、世界でも最先端の原子力産業市場の一つである韓国において、ナノ社が開発するKRONOS MMRを含むMMRの設計から展開までの移行を加速させる方針だ。
KRONOS MMRは、TRISO(3重被覆層燃料粒子)燃料とヘリウム冷却を使用する第4世代の小型モジュール式の高温ガス炉。設置面積は5エーカー(約0.02平方キロメートル)未満とコンパクトで、最大4.5万kWt(1.5万kWe)の出力により、地域グリッドや再生可能エネルギーシステム、プロセス熱供給などと柔軟に連携可能とされる。運転員の介入や外部電源なしに自動的に停止し安全状態を維持する「walk-away safe」設計を特徴とし、停電時にも独立して稼働可能な完全自律マイクログリッド機能の確立を目指している。ナノ社は現在、米国とカナダにおいてもMMRの市場投入に向け、建設ならびに許認可プロセスを進める取組みを行っているところだ。
なお韓国では、工場や産業施設にマイクロ炉を直接併設し、電力網に負担をかけることなく常時稼働のクリーン電力を供給する「ワン・ファクトリー、ワンMMR」構想が進められている。本MOUの下、両社は同構想を推進するため、
- 韓国の産業用途向けKRONOS MMRの最適化
- 韓国の原子力基準に沿った認可・認証プロセスの構築
- 工場および産業キャンパスにおけるパイロットならびに初号機(FOAK)のサイト候補地の特定
- 現地製造および人材育成パイプラインの確立
- 韓国およびアジア市場全体を見据えた商業化・展開戦略の策定
についても協力するとしている。
ナノ社はダンソク社との協力をアジアへの戦略的ゲートウェイと位置づけ、韓国での成功を日本や東南アジアなど、アジアを中心としたエネルギー集約型経済圏への展開につなげたい考え。ナノ社のJ. ユー会長は、「本MOUは、通常であれば数年を要する産業基盤、規制機関、地域ネットワークへの扉を一気に開くものだ」とその意義を強調した。





