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英サプライチェーンの企業連合、サイズウェルC計画への支援を政府に要請

15 Jul 2020

©サイズウェルC企業連合

英国の原子力サプライチェーンを構成する32の主要企業と労働組合が7月14日付けで「サイズウェルC企業連合」(=ロゴマーク)を結成し、サイズウェルC原子力発電所(SZC)建設計画に対する支援を英国政府に要請した。

同計画はイングランド地方南東部のサフォーク州で仏国籍のEDFエナジー社が進めているもので、先行する同社のヒンクリーポイントC原子力発電所(HPC)建設計画と同じく、出力約170万kWのフラマトム社製・欧州加圧水型炉(EPR)を既存のサイズウェルB発電所の北側に2基建設する。HPC計画で経験するEPRの建設をSZC計画で繰り返すことにより、同社は建設費の大幅な削減と関係リスクの軽減が可能になると予想。同社が5月下旬に提出していたSZC計画の「開発合意書(CDO)」申請は、計画審査庁が今月7日付けで正式に受理している。

サイズウェルC企業連合には、EDFエナジー社の親会社である仏電力(EDF)のほかに、英国の大手エンジニアリング企業のアトキンズ社やアラップ社、ヌビア社、原子力事業会社のキャベンディッシュ・ニュークリア社、建設大手のレイン・オルーク社、機器製造企業の斗山バブコック社、米国籍のGEスチーム・パワー社やジェイコブス社、欧州企業のアシステム社などが参加。GMBやユナイト・ユニオンといった大手労組も同企業連合の支援に加わっている。

同企業連合は、SZC計画のように周到に準備されたモチベーションの高いプロジェクトは英国経済に大規模な推進力をもたらすとともに、気候変動を抑えつつ新型コロナウイルス危機で停滞した社会を立て直し、CO2排出量の実質ゼロ化に向けて英国を導くことができると認識。このため、同企業連合は英国中の地域社会と了解覚書を結び、SZC計画によって英国全土で2万5,000人分の雇用機会と1,000人分の企業実習機会が生み出され投資が行われること、契約総額の70%に相当する140億ポンド(約1兆8,900億円)以上が英国企業にもたらされる点などを保証。これによって、原子力サプライチェーンの将来的な発展を確保する考えである。

また、建設計画が承認されれば、幅広いサプライチェーン全体で16万人分の雇用が維持されると同企業連合は指摘。しかし、同計画への迅速な支援が英国政府から得られなかった場合、このうち数千人分が失われ、その能力が弱体化する深刻な危機に見舞われると警告している。

同企業連合のC.ギルモア広報担当によると、英国はこれまでに世界最先端の原子力サプライチェーンを構築し、高度な技術を必要とする雇用を英国全土で支えてきた。SZC計画に付随する原子力サプライチェーンでは、英国政府が気候変動を抑えながら経済復興を推し進めるにあたり支援提供する準備がすでにできている一方、SZC計画の実施を確約することでこれらのサプライチェーンが維持され、英国は低炭素経済の繁栄から多大な恩恵を被ることになると指摘している。

(参照資料:サイズウェルC企業連合EDFエナジー社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの7月14日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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