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フィンランドのロビーサ発電所、2回目の運転期間延長を念頭に環境影響評価開始

17 Aug 2020

ロビーサ原子力発電所 ©フォータム社

フィンランドのフォータム社は8月13日、保有するロビーサ原子力発電所で2回目の運転期間延長を行い2050年頃まで営業運転を継続するか、あるいは現行認可の満了とともに廃止措置を取るかの両方について、周辺環境や住民の健康と安全、および近隣コミュニティの経済に及ぼす影響等の評価(EIA)手続を開始したと発表した。

フィンランドは西側諸国の一員である一方、国境を接するロシアとの関係も深く、ロビーサ発電所の2基はそれぞれ出力約53万kWのロシア型PWR(VVER)である。第3世代+(プラス)より前の世代のVVERは公式運転期間が最大30年であるため、1977年2月と1980年11月に運転を開始した1号機(LO1)と2号機(LO2)は、LO1の運転開始後30年目にあたる2007年に国家評議会から20年間の運転期間延長を認められた。両機で現在認可されている運転期間は、それぞれ2027年と2030年の末までとなっている。

フォータム社によると、ロビーサ発電所は2019年に設備利用率92.4%をマーク。総発電量もフィンランド全体の10%以上に相当する82億kWhになるなど技術的なトラブルは無く、安全要件も満たしている。同社は過去5年間に合計約4億5,000万ユーロ(約568億円)を同発電所に投資しており、設備の近代化を継続的に行う事により世界でも最高レベルの設備利用率が達成されたと述べた。同社はまた、CO2を排出せず天候にも左右されずに信頼性の高いエネルギーを生み出す原子力は将来的にも必要であると認識。再生可能エネルギーとともに、フィンランドのエネルギー需要を支えつつ地球温暖化の影響緩和に寄与するエネルギー源だと強調している。

同発電所の2基は世界で初めて、西側諸国と東側諸国双方の原子力技術を統合して建設されたもので、原子炉やタービン発電機、その他の主要機器など設備の約50%が旧ソ連製。一方、安全系や制御系、自動化システムなどは、西側諸国の安全基準を満たせるよう西側の技術に基づいており、鋼鉄製の格納容器と関連のアイスコンデンサについては、ウェスチングハウス社のライセンスを使って製造されている。

フォータム社は今回、同発電所で環境影響評価(EIA)プログラムを実施するための申請書を経済雇用省に提出。2段階構成の同プログラムは完了までに18か月を要する見通しで、調整役を担う経済雇用省は「越境環境影響評価条約(エスポー条約)」に従い同プログラムに関する公開協議を実施する。今月27日から10月26日までの期間、様々な関係当局や企業からオンラインで意見募集するとともに、一般市民やコミュニティのために公聴会を開催。聴取した意見や声明書すべてを取りまとめた上で、経済雇用省としての見解を報告書に明示することになる。

(参照資料:フォータム社経済雇用省の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月13日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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