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韓国電力技術、海上浮揚式原子力発電所の開発で大宇造船海洋と協力

09 Oct 2020

「BANDI-60」を搭載した海上浮揚式原子力発電所の完成予想図© KEPCO E&C

韓国電力公社(KEPCO)の子会社として発電所のエンジニアリングと建設を担当する韓国電力技術(KEPCO E&C)はこのほど、海上浮揚式原子力発電所の技術開発で造船大手の大宇造船海洋と長期的に協力していくため、覚書を締結したと発表した。

韓国電力技術は、遠隔地域に対する熱電供給や海水の脱塩、再生可能エネルギーによるハイブリッド発電システムの開発などに利用可能な小型モジュール炉(SMR)「BANDI-60」を2016年から開発中。今回の覚書では、同社の世界レベルの先進的原子力設計技術と建設技術、および大宇造船海洋の船舶製造における様々な経験とノウハウを活用し、海上浮揚式原子力発電技術の開発と関係事業の発掘、これらを応用した共同プロジェクトを進めていく方針である。

韓国電力技術は両社それぞれの技術で相乗効果が期待できると考えており、「BANDI-60」を搭載した海上浮揚式原子力発電所の開発にさらに弾みがつくとした。このため、今回の覚書を契機に両社間の戦略的協力を長期的に継続していきたいと述べた。大宇造船海洋側も、「国内外の原子力発電所で設計と建設を経験した韓国電力技術との協力により、安定性と信頼性をワンランク高めた製品を顧客に提供することができる」としている。

ブロック型のPWRとなる「BANDI-60」は熱出力20万kW、電気出力6万kWの原子炉設計で、韓国電力技術が従来の大型発電所向けサービスで40年以上積み重ねてきた経験と実証済みの技術に基づいている。基幹送電網への接続を想定して設計された化石燃料発電所や大型炉と競合させるというより、分散型エネルギー供給インフラとしてニッチ市場を狙ったものだと同社は説明した。

原子炉の安全性と操作性を向上させるため、同設計では減速材中に可溶性ホウ素を使用せず(SBF)、原子炉容器内に制御棒駆動装置(CEDM)を設置する。また、原子炉容器上部に炉心計装(ICI)を搭載するほか、残留熱の除去や格納容器の冷却等で各種の受動的安全システムを備えたものになるとしている。

(参照資料:韓国電力技術(韓国語)韓国原子力学会の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの10月6日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

 

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