原子力産業新聞
NECG Commentary
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福島第一原子力発電所を訪問

24 Apr 2018

日本原子力産業協会(原産)と東京電力のご厚意により2018年4月11日、福島第一原子力発電所を訪問することができた。このコメンタリーはその際の印象を記したものである。

4月9日の週、第51回原産年次大会での講演のため私は日本に滞在していた。

原産年次大会

原産年次大会では、米国の運転中原子力発電所の早期閉鎖、ならびに日本の電力卸市場の構築に際して米国における原子力と電力の規制緩和から得られた教訓がどう役に立つかについて講演した。

米国では自由化環境下におかれた原子力発電所(すなわち収益を電力卸市場に依存している原子力発電所)は様々な点で順調とは言えないことを説明した。

私が訪日している間、ニュージャージー州ではホープクリーク原子力発電所とセーレム原子力発電所に対しクリーンエア給付金を与える計画が承認された。一方、オハイオ州とペンシルバニア州においてはデービスベッセ、ペリー、ならびにビーバーバレー原子力発電所を支援する同様の措置案は残念ながら認められていない。

福島第一訪問

原産年次大会の次の日、ブライト・ニュー・ワールドのベン・ハード氏らと共に福島第一原子力発電所視察に参加した。

東京では桜の花はもうほとんど散っていたが、福島に向かって北へ進むにつれて多くの桜を見ることができた。我々は福島第一の南に位置する四ツ倉というところで休憩をとった。そのパーキングエリアには、海岸から少し離れて南北に走る常磐自動車道沿い9か所に設置されている線量計による計測値がリアルタイムで表示されていた。放射線の危険はないことをこうした表示で示すことは道路を通る人たちに対して安心感を与えるに違いない。

また、道中では津波被害後の復興のために建てられた多くの新築の建物や施設を見ることができた。当初避難指示が出された町でも一部では指示が解除され人々が戻ってきている。

我々を乗せたバスはJヴィレッジの入り口を通過した。Jヴィレッジはサッカーのトレーニングセンターだが、事故後は福島サイトへの出入りする車両の乗り換え、あるいは準備場所として使われていた。Jヴィレッジと福島第一サイト間のかなりの区域も避難指示が解除されており、Jヴィレッジも本来のサッカートレーニングセンターとしての役割を取り戻しつつある。Jヴィレッジは2020年東京オリンピックの日本チームのトレーニングセンターとして使用されることになっている。

我々の乗ったバスは富岡町に到着した。富岡町は海沿いの町で福島第一サイトから約10km南、福島第二サイトからは約2km北に位置している。かつて富岡町では、福島第一、第二原子力発電所で仕事をしていた多くの人々が生活していたという話を聞いた。我々は最近復旧された新しい富岡駅前に新築された富岡ホテルで昼食をとった。富岡町の中では住居、商店や学校を目にすることができた。このコメンタリーの冒頭の写真は富岡駅前の小さなお店にかざってあった横断幕である。

我々はここで、少し小型のバスに乗り換えて福島第一サイトに向かった。今回が私にとって初めての訪問であったが、様々な状況がこの数年の間に変化したことは私にも理解できた。

サイト正門付近の地域は依然として避難指示が出されたままであるが、道路は通行可能で、サイトに行くまでの特段の措置は求められていない。

サイトには新しい大きな建物を通って入る。建物には事務所の他、食堂などの施設が併設されている。サイト内では東京電力および協力企業合わせて数千人の作業員が働いており全員が日々この施設を通って入域している。

我々の訪問後、間もなく使用が開始されることになっている新しい自動運転EVバスも見ることができた。

サイトへの入域は厳しく管理されており、退域時には全身スキャンで汚染モニタリングされる。管理区域に入るに先立って各人には表示付きの線量計が渡されたが、サイト内に入る時にも、もはや防護服着用は不要となっている。一部の場所を除けば作業員は特に着替えをすることなくサイト内に入って作業をすることが可能となっている。

サイトツアーで特記すべき点は以下のとおりである。

特に原子炉部分の調査や原子力発電所全体とさらに広範なサイト周辺の除染に焦点を当てながら作業は大きな進展を見せている。

お問い合わせ先
Edward Kee +1 202 370 7713
edk@nuclear-economics.com

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