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インド原子力省の常設委、原子力拡大計画で国産加圧重水炉の建設を推奨

12 Mar 2020

インド原子力省(DAE)に常設されている「科学技術、環境、森林および気候変動に関する議会委員会」は3月6日、同省の2020年~2021年の助成金案審議に関する報告書を議会に提出し、同常設委としては現時点で、米仏製の軽水炉よりもDAEが国産の標準型70万kW級加圧重水炉(PHWR)を建設する方が賢明と考えていることを明らかにした。

インドは2030年までに、現在約3%の原子力発電シェアを少なくとも2倍に拡大する計画だが、同常設委は「米仏両国の原子力企業との交渉が10年以上続いているにも拘わらず、これらから支援を受けた新規の軽水炉建設プロジェクトがまったく実現していない」点を指摘。意欲的な目標を達成するには熟慮と予算上の手当てが必要であり、原子力拡大計画では差し当たり国産標準設計を採用して積極的に進めてくことを勧告している。

インドは2006年のエネルギー政策で、2032年までに原子力発電設備で6,300万kWの導入目標を定めているが、現在稼働中の原子力発電設備は22基、678万kWである。このうち2基、200万W分がロシアから導入したPWR(VVER)であるほか、2基、32万kW分は1960年代に米GE社が建設したBWR。残りはすべて国産のPHWRで、追加4基のPHWR建設計画と後続2基のVVER建設計画が比較的順調に進められている。

しかし、仏国製の欧州加圧水型炉(EPR)をジャイタプールで6基建設するという2009年の了解覚書については、2016年と2018年にフランス電力(EDF)とインド原子力発電公社(NPCIL)が改定版の覚書や新たな協定に調印をしたものの、その後の動きは発表されていない。

また、米国とインドは2008年に米印原子力協力協定を締結。GE日立・ニュクリアエナジー社製BWRの建設に向け、インド内閣が2009年に暫定指定した東海岸コバダのサイトでは、ウェスチングハウス(WH)社製AP1000を6基建設することが2016年に正式決定した。しかし、翌2017年のWH社の倒産法適用申請等により、この計画は進展していない。

今回、DAE常設の議会委員会は2020年~2021年の助成金案で、国内すべての原子力発電所を維持するための追加予算を最小限に抑えるようDAEに要請。同委によると、インドの原子力プログラムは現在、非常に微妙な岐路にさしかかっており、CO2を排出しない一方でそのコストは下がっていない。福島第1原子力発電所事故後はむしろ、安全性への懸念からコストが上昇しており、価格が大きく下落した太陽光発電との総体的な経済性の差も大きく変化。インドには、原子力のように戦略的側面を持つベースロード電源を諦める余裕はないが、太陽光の間欠性や効率性の悪さを別にしても全体として見過ごすわけにはいかないとした。

同委はまた、カルパッカムで2004年から建設中の高速増殖炉原型炉(PFBR)について、DAEが2021年末までに起動させることを期待すると述べた。起動段階に達するまで20年近くかかっているが、インドが誇るパイオニア的イニシアチブであることに間違いはなく、同炉によってインドの原子力プログラムは転換期を迎えるとしている。

これに加えて同委は、先進的トリウム炉を工学規模で展開するための計画を進めるようDAEに要請。国内に豊富にあるトリウム資源を背景に、重水炉を中心とした三段階の独自のトリウム・サイクルによる原子力発電開発計画を進めていくことを再確認している。

 (参照資料:DAE常設委員会の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの3月9日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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