ベラルシアン原子力発電所が3号機を増設へ
02 Dec 2025
ベラルーシのV. カランケビッチ副首相は11月14日、ベラルシアン原子力発電所に3号機増設が決定したことを明らかにした。同日のA. ルカシェンコ大統領との会議において、同発電所の運転状況、増設の必要性などについて討議された後に決定された。また増設と同時に、電力需要の増加を鑑み、東部のモギリョフ州で新たな原子力発電所のサイト候補地を調査することも明らかにした。
ベラルーシの電力消費は急増しており、2024年、ベラルーシの電力消費量は433億kWhを超え、過去5年間で60億kWh増加している。その背景に、国内電力システムに電気ボイラーが設置され、主要な居住地で、暖房や給湯のために天然ガスを電気に置換していることや、農業部門における冬季の温室の運用、電気自動車台数の増加、データセンターや鉱山開発による電力需要の増加がある。
現在、フロドナ州オストロベツで同国初のベラルシアン原子力発電所1-2号機(ロシア製VVER-1200、各119.4万kWe)が稼働中。両機は、福島第一原子力発電所事故直後の2011年3月に、ルカシェンコ政権がロシアと政府間協定を締結、総工費の90%をカバーする100億ドルの低金利融資など、ロシア政府の全面的な支援を受けて建設された。1号機は2020年11月、2号機は2023年5月に送電を開始しており、2024年の総発電量に占める原子力シェアは約36%、原子力発電量は157億kWhであった。両機の稼働後、電力輸入を完全に放棄。145億㎥以上の天然ガスを代替し、外貨負担を16億ドル以上軽減。温室効果ガス排出量2,600万トンの削減に貢献しているという。





