日仏首脳会談 原子力協力を強化 高速炉・燃料サイクルなど6分野で連携深化へ
03 Apr 2026
高市首相は4月1日、訪日中のエマニュエル・マクロン仏大統領と迎賓館赤坂離宮で日仏首脳会談を執り行った。その後、署名式及び共同記者発表、そしてワーキング・ディナーを実施。その中では原子力協力に関する声明への言及がなされた。
高市首相は同会談で、日仏両国がこれまで積み重ねてきた幅広い分野における戦略的連携を「一層深化・強化することで一致した」と述べ、両国のさらなる関係深化を歓迎した。今後、宇宙分野や重要鉱物のサプライチェーンの強靱化といった経済安全保障分野で協調を深めるという。
また高市首相は、同日発表した4つの共同声明(日仏首脳共同声明・日仏原子力協力に関する共同声明・日仏AI分野の協力に関する首脳共同声明・グローバルヘルスに関する日仏共同声明)は、両国の戦略的連携を一層深化・強化する決意の現れだと強調。原子力分野について日仏両国は、高速炉の開発、原子燃料サイクルの推進などに加え、核融合に関するITER(国際熱核融合実験炉、仏カダラッシュ)やJT-60SA(核融合実験装置、茨城県)を通じた協力を強化していくという。
両政府が発出した「日仏原子力協力に関する共同声明」では、原子力がエネルギー安全保障とカーボンニュートラルに貢献する重要な電源であるとの認識を再確認したほか、民生原子力協力が、日仏協力のロードマップ(2023~2027)に示されている日仏間の「特別なパートナーシップ」における主要な分野のひとつであることを強調。そして、核兵器不拡散条約(NPT)の枠組みを維持するとともに、とりわけ原子力の平和的利用に関する原則を重視する姿勢を強調した。
そのなかで、以下の6つの分野における協力強化の重要性を強調した。
①既存炉の運転期間延長
②原子力新規導入国への支援及びサプライチェーン
③燃料サイクル
④廃炉
⑤次世代炉
⑥核融合
既存炉については、安全かつ持続可能な長期運転に資する技術的知見の共有を進めるとともに、運転員や保守要員の訓練を含む人材育成の強化に取り組む。そして、研究機関と産業界の連携を通じ、次世代を担う専門人材の育成も重視する考えだ。
また、原子力導入を検討する国々への支援については、国際原子力機関(IAEA)のマイルストーン・アプローチに則り、欧州やインド太平洋地域を含む各国に対する協力を強化する。これに合わせて、原子力サプライチェーンの強化にも取り組むという。
原子燃料サイクル分野では、使用済みMOX燃料(SF-MOX)の再処理に関する実証研究を推進するほか、ウラン生産や新たな濃縮サービス、燃料製造などを含めたサプライチェーンの維持・強化を図る。
廃炉分野においては、安全で責任ある廃炉の推進に向け、特に金属廃棄物の管理や処理に関する協力を進める。クリアランス金属など放射性廃棄物由来の物質のリサイクルや、再利用に関する取組みを進めるとともに、国民理解の促進に向けた知見の共有も図る。また、フランス電力(EDF)と福井県が進める嶺南Eコースト計画の枠組みを活用し、日本における廃棄物管理のあり方についても検討を進める方針だ。
次世代炉分野では、高速炉の開発に寄与する燃料や炉の設計技術、安全評価に関する研究開発協力を加速させる。両首脳は、相互の協力を通じ、今世紀半ばまでに高速炉実証炉の開発を進めるという共通目標を確認した。
さらに、核融合分野では、ITERやJT-60SAといった国際プロジェクトを通じた協力を継続する。JT-60SAの2026年後半の運転開始や、ITERの2034年の研究運転開始を見据え、開発を着実に進めるとともに、国際核融合材料照射施設の工学実証・工学設計活動(IFMIF/EVEDA)や国際核融合エネルギー研究センター(IFERC)を含む幅広いアプローチ活動への貢献も再確認した。





