原子力産業新聞

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IAEA ALPS処理水放出の安全性を改めて確認 6回目の安全性レビュー

20 May 2026

中西康之助

廃炉の進捗状況を確認するIAEAタスクフォース一行 ©東京電力

国際原子力機関(IAEA)は16日、ALPS処理水の海洋放出について、国際安全基準に沿って実施されていることを確認したと発表した。安全性レビュー511日から15日にかけて実施され、今回で6回目。過去5回の報告と同様、今回も問題は指摘されなかった。

レビュー期間中、日本政府や福島県、東京電力は、発電所構内および周辺海域で実施しているモニタリングの概要や実績について説明した。IAEAタスクフォースは、これらが国際安全基準と整合しているかを中心に議論を行った。

また、513日には、IAEAタスクフォースが福島第一原子力発電所を訪問し、発電所構内の「ブルーデッキ」から廃炉作業の進捗状況を確認したほか、ALPS処理水移送建屋や放水立坑など、ALPS処理水の海洋放出に関連するモニタリング設備を視察。さらに、タンク解体が進むエリアの現場確認も行ったという。

安全性レビューは、2021年に日本政府とIAEAの間で署名された「ALPS処理水の取扱いの安全面のレビューに関する付託事項(TOR)」に基づき実施されている。

IAEAは、自ら定める「IAEA安全基準」に則り、人と環境の保護の観点から、ALPS処理水の放出計画やモニタリング体制などについて確認・評価を実施している。こうしたレビューを通じ、IAEAタスクフォースは、海洋放出の安全性や透明性に関する国際社会の理解醸成に向けた役割を担っている。

日本政府は、ALPS処理水の海洋放出について国際社会の理解を得る上で、IAEAによる独立したレビューが重要との認識を改めて示した。その上で、今後も中立性を重視するIAEAと緊密に連携しながら、ALPS処理水の海洋放出に関する理解醸成に取り組んでいく考えを強調した。

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