原子力産業新聞

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原子力小委 2050年代までに最大14基分の建て替え需要を提示 行動指針改定案を議論

09 Jun 2026

中西康之助

原子力発電の将来の設備容量について ©経済産業省

経済産業省・資源エネルギー庁の原子力小委員会65日、「今後の原子力政策の方向性と行動指針」の改定案を議論。改定案では、既設炉の運転終了を見据え、2040年代までに大型炉約25基分、2050年代までに同約1114基分の建て替え需要が生じるとの試算を提示した。

既存炉の活用だけでは2040年以降に供給力の大幅な低下が見込まれることから、改定案では原子力発電の見通しや将来像を新たに前段に位置づけ、原子力産業界における長期的な投資判断や人材確保、サプライチェーンの維持・強化に向けた事業予見性の向上を図った。

同改定案では、原子力発電が2040年代から2050年代にかけて総発電電力量の約20%を担うケースを前提に、必要な設備容量を試算。その場合、2040年代までに約220万~550kW(約2基~5基)、2050年代までに累計約1,270万~1,600kW(約11基~14基)分が不足する見込みだという。なお、建て替え基数は大型炉換算で算出しており、SMRの場合はさらに必要な基数が増加する。また、試算には建設中の3基(大間、島根3号機、東京・東通1号機)を含む一方、電気事業法に基づく運転延長認可制度は考慮しておらず、年途中で運転開始から60年を迎えるプラントについては、当該年の設備容量に含めていない。

改定案では、行動指針の6本柱という基本構造は維持しながらも、再稼働が一定程度進捗してきたことを受け、原子力の長期利用を前提とした構成へ見直した。具体的には、「原子力を長期的に活用していく上での大前提」を新たな柱として設けるとともに、再稼働関連施策を「再稼働の加速・既設炉の最大限活用」に集約。さらに、次世代革新炉の開発・設置や、バックエンドプロセスの加速化、サプライチェーン・人材基盤の維持強化などを明記している。

各委員からは、原子力発電の見通し・将来像を具体的に示した点を評価する意見が相次いだ一方、ファイナンス支援の具体化やバックエンド施策、燃料サプライチェーン整備、人材・技術継承等について、さらなる検討を求める意見も出された。

バックエンド分野では、竹下委員(東京科学大学)が同改定案を評価した上で、六ヶ所再処理工場やMOX燃料工場の本格稼働を見据えた保障措置体制の強化を要望。併せて、プルトニウム管理や核燃料サイクルの実効性向上、ウラン燃料供給の安定化に向けた国内基盤整備の必要性を指摘した。

また、水田専門委員(関西電力/電気事業連合会)は、中長期的な原子力の将来像や見通しが具体化されたことについて、「事業予見性の向上や業界の活性化、技術継承、人材確保の好循環につながる」と評価。その上で、次世代革新炉の開発・建設を着実に進めるための事業環境整備の継続的な見直し、また、バックエンドを含む人材・サプライチェーン基盤の強化を着実に進める必要性を訴えた。

そして、日本原子力産業協会の増井理事長(専門委員)は、同改定案について「原子力産業を巡る現状や本委員会での議論を踏まえ、適切に取りまとめられている」と評価。特に、2040年と2050年を見据えた原子力発電の見通し・将来像が示されたことについて、「産業界として未来への希望と長期的な展望を持つことができる」と述べた。あわせて、日米間で検討が進む大型原子力案件は日本企業にとって大きな機会になるとの認識を示す一方、過度な負担が生じないよう政府の適切な対応を求めた。また、同志国との連携やサプライチェーン強化など国際協力の重要性を強調し、原子力国際協力センター(JICC)等と連携し、海外産業界との連携強化に引き続き取り組む考えを示した。

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