原子力産業新聞

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文献調査「国が判断を」 小笠原村長意向

17 Apr 2026

中西康之助

南鳥島 ©第三管区海上保安部

東京都小笠原村の渋谷正昭村長は4月13日、南鳥島における高レベル放射性廃棄物(HLW)の地層処分に関する文献調査の実施可否について、国が判断すべきとの見解を示した。

渋谷村長は、電力の安定供給を必要とする現代社会において原子力発電は不可欠との認識を示した上で、HLWの最終処分施設についても将来的に必要になると指摘。

「地域任せにすることなく国の責任で取り組むのであれば、国が判断すべきだ」と述べ、文献調査の実施可否については国が主体的に決定すべきとの考えを示した。

そして、国が文献調査の実施を決定した場合には、村として以下の5項目を要請するとした。

①地層処分が現時点で有力な処分方法であることを踏まえつつも、廃棄物の新たな処理方法や発生抑制に向けた研究開発を継続的に進めること
②他自治体へも文献調査の申し入れが行われるまで、小笠原村でも次段階の意見表明は行わないこと
③村民に対する理解促進活動や意見交換の実施を継続し、専門家を交えたテーマ別の議論の場を設け、説明機会の充実を図ること
④風評被害への懸念を踏まえ、小笠原諸島と南鳥島の地理的条件や位置関係について、国およびNUMOが国内外に向けて適切に発信すること
⑤文献調査の実施が、処分施設の建設決定を意味するものではないことを明確にすること

渋谷村長としては、調査の必要性を含めた判断は国の責任で行うべきとの認識を改めて強調するとともに、他自治体への申し入れ拡大を通じて、地層処分を巡る国民的議論が深まることへの期待も示した形だ。

赤沢亮正経済産業大臣は翌14日、渋谷村長の示した見解について、「小笠原村の対応に感謝したい」と述べた。そのうえで、渋谷村長が示した見解は村内の多様な意見を踏まえたものとの認識を示し、「国として重く受け止めている」とした。今後の対応については、渋谷村長が正式な回答をした際に、「直接話を伺ったうえで、国として責任を持って対応していく」とした。

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