スペイン規制当局 アルマラスの運転延長に肯定的評価
05 Aug 2026
スペイン原子力安全委員会(CSN)は7月16日、ポルトガル国境に近いエストレマドゥーラ州カセレス県にあるアルマラス原子力発電所(米ウェスチングハウス社製PWR, 100万kW級×2基)の運転認可更新について、2030年までの運転継続は条件付きで妥当とする肯定的評価を示した。
スペインの原子力事業者であるアルマラス・トリリョ原子力発電会社(Centrales Nucleares Almaraz-Trillo= CNAT)は2025年10月、環境移行・人口問題省(MITECO)に対し、同発電所の運転期間を2030年6月まで延長するよう正式に要請。1号機は1983年9月、2号機は1984年7月に営業運転を開始しており、現行の運転認可はそれぞれ2027年11月と2028年10月までとなっている。
今回のCSNによる審査では、安全関連設備の経年劣化管理、使用済み燃料の管理計画、環境条件への適合性、定期安全審査で求められた改善措置の実施状況などを総合的に評価。認可期間中も安全関連に十分な要員の確保などの運転継続に必要な条件を満たし、安全確保を前提として両機の運転継続は可能と結論付け、同評価報告書をMITECOに送付した。CSNの判断は技術・安全面に関する勧告であり、MITECO が2030年6月までの運転延長の可否を決定する。
CSNの評価を受け、スペインの原子力産業団体であるForo Nuclearは、アルマラス発電所の稼働継続は、電力供給の安定性を高め、気候目標の達成に寄与するとともに、系統運用の安定性を強化すると指摘している。
アルマラス発電所は、イベルドローラ(53%)、エンデサ(36%)、ナチュルジー(11%)の3社が共同所有。同発電所および関連事業を含め約4,000人が就業し、燃料交換時期には約1,200人の雇用が追加されるなど、地域経済を支える重要な雇用基盤となっている。
スペインでは現在、5サイト・計7基、合計出力計739.7万kWeが運転中で、全基が40年超の運転認可を取得済み。2025年の原子力シェアは約19%を占め、稼働率は約83%。一方で、政府の脱原子力政策のもと、現行計画では2027~2035年までに順次閉鎖が予定されており、2030年までに約320万kWに縮小し(現在運転中の7基中4基が閉鎖)、2035年には0となる見込み。





