原子力産業新聞

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IAEAと米州開発銀行 原子力開発で提携

06 Oct 2026

桜井久子

© IAEA

国際原子力機関(IAEA)と米州開発銀行(IDB)は9月24日、ラテンアメリカおよびカリブ海地域における原子力の安全かつ確実で持続可能な利用に関する協力覚書に署名した。IDBは、中南米・カリブ海地域の経済・社会発展を支援する国際開発金融機関。

米ニューヨークで開催された国連総会への出席を機に、IAEAのR. グロッシー事務局長とIDBグループのI. ゴールドファイン総裁が署名。今回の提携により、信頼性が高く低炭素なエネルギーの導入を検討する各国への支援を強化する。

本覚書は、対話、知識の共有、技術支援、能力構築、エネルギーシステム計画、インフラなどを含む、原子力開発協力の枠組みを提供するもの。同覚書に基づき、IAEAとIDBは、大型炉やSMRなどを含む原子力技術の技術面、制度面、経済面での協力を推進していく。

なお同覚書は、保健、食料安全保障、水管理などの分野におけるIAEAとIDBの既存の共同の取組みを基盤としており、がん治療・管理を含む医療サービスへのアクセス、農業生産性、持続可能で気候変動に強い農業手法、土壌・養分・水資源管理に関する協力への拡大も想定している。

グロッシー事務局長は、「IAEAの技術的専門知識と、IDBの開発経験および地域のネットワークを組合わせ、ラテンアメリカおよびカリブ海諸国が将来のエネルギー選択肢を検討する際、十分な情報に基づいた意思決定をできるよう支援していく」と述べた。

過去2年間、IAEAは世界銀行グループ、アジア開発銀行、CAF(ラテンアメリカ・カリブ開発銀行)、OPEC国際開発基金などの国際金融機関との協力を拡大してきた。こうしたパートナーシップは、エネルギー安全保障と気候目標の推進を図りながら、増大する電力需要を満たす上で、各国が原子力の価値を認識、評価することへの支援を目的としている。

現在、ラテンアメリカ・カリブ海地域で原子力発電を利用しているのはアルゼンチン、ブラジル、メキシコの3か国のみで、2025年の同地域の総発電電力量に占める原子力発電の割合は1.8%であったのに対し、世界全体では8.4%を占めている。IAEAの2026年予測によると、同地域の原子力発電総発電設備容量は2050年までに2倍以上となり、2060年までに約2.5倍に増加する可能性がある。ラテンアメリカ・カリブ海地域における増分の約40%は、小型モジュール炉(SMR)によるものと見込まれている。ブラジルは、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催されたCOP28で採択された、2050年までに原子力発電設備容量を3倍に拡大するという世界的な宣言に2026年3月に加わった。

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