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米カリフォルニア州 原子力発電所の新設可能性を評価へ

19 Oct 2026

桜井久子

核融合法案に署名するニューサム知事
© Governor Gavin Newsom

米カリフォルニア州のG. ニューサム知事(民主党)は9月30日、州議会で成立した2つの法案に署名した。1つ目は州内に新たに原子力発電所を建設する可能性について、包括的な評価の実施に関するもの、2つ目は核融合の研究開発促進と産業の育成に関する法案である。2045年までに電力の100%をゼロカーボン電源で賄う目標に向けて、従来の原子力モラトリアム(禁止・制限措置)を再検討する動きとして注目される。

原子力発電所の新設可能性を包括的に評価することを定めた法案AB 2647(原子力発電所:評価)では、カリフォルニア州エネルギー委員会(CEC)が、州内の重要インフラにおける先進原子力技術の役割や新規建設について、州全体の電力需要に対する費用対効果や2045年までの電力のゼロカーボン目標への貢献度から検討し、2028年1月1日までに包括的な評価を作成することを定めている。

法案を提出したL. カルデロン州下院議員は、州内の電力需要が増大する中、電力のゼロカーボン目標の達成には安定したクリーン電力供給が必要と強調。同州の家庭・企業が全米でも高い水準の電気料金を支払っていることから、電力料金の手頃さも重視し、先進的な原子力発電の選択肢を残しておくことは不可欠と指摘した。また、少なくとも他の5州[1] … Continue readingは、50年前の技術に基づく時代遅れの制限が現代のクリーンエネルギー目標と両立しないことを認識し、同様の原子力モラトリウムを撤廃または修正していると言及した。新法は、こうした課題を踏まえ、現在の先進原子力技術と電力需要に即して原子力の役割を再評価し、将来の政策判断につなげるための第一歩と位置付けられる。

当初提出された法案では、2005年1月1日以降に米原子力規制委員会(NRC)の認可を受けた先進原子炉について、従来の新設制限を適用しない方針を示していたが、審議の過程で法案の内容が変更され、最終的には州内の新規建設と先進原子炉の役割を包括的に評価するものとなった。

カリフォルニア州では1976年、新規建設を事実上制限する法律が制定された。同州では唯一、ディアブロキャニオン原子力発電所(DCPP)1-2号機(PWR、各119.7万kWe)がそれぞれ1984年、1985年から運転している。所有者であるパシフィック・ガス&エレクトリック(PG&E)社は当初の運転期間40年に加えて、20年間の運転継続を計画していたが、電力供給地域における需要の伸び悩みと再生可能エネルギーによる発電コストの低下を理由に、各40年の運転期間満了にともない閉鎖する計画を2016年8月に州公益事業委員会(CPUC)に提出、2018年1月に承認された。

しかし、2020年の熱波による州全域の計画停電と2022年に発表された新たな需要予測を受け、カリフォルニア州議会は2022年9月、DCPPの2030年までの稼働を支持する法案を可決。これを受け、PG&E社はNRCにDCPPの運転認可延長を申請し、今年4月、NRCの認可により各機の運転期限はそれぞれ2044年11月、2045年8月となった。NRCはDCPPが今後20年間の運転継続が安全かつ環境的に適合していると判断したが、州法上、2030年以降の運転継続には州議会の承認が必要になる。DCPPによる発電電力量は現在、カリフォルニア州の総発電電力量の約10%、クリーンエネルギーの約20%を占める。

一方、核融合については、法案SB 925により、CECが核融合エネルギーの戦略計画を策定する。計画には、研究開発機会の拡大や商業化戦略の策定、核融合関連製造業の育成などが含まれる。州内には、サンディエゴのDIII-D国立核融合施設や、ローレンス・リバモア国立研究所の国立点火施設(NIF)があり、研究基盤を産業化につなげるねらいがある。

脚注

脚注
↑1 米エネルギー省によると、原子力モラトリアムを撤廃したのは、イリノイ州、ケンタッキー州、モンタナ州、ニュージャージー州、ウィスコンシン州、ウェストバージニア州の6州。

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