原子力産業新聞

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シンガポール 来年にもINIRミッション受入れへ

06 Nov 2026

桜井久子

IAEA@SIEWで歓迎挨拶を行うMTIのタン大臣
© Government of Singapore

シンガポール貿易産業省(MTI)傘下のエネルギー市場監督庁(EMA)は10月26日~30日、国際エネルギー週間(SIEW)を開催した。会期中の27日には、国際原子力機関(IAEA)と「IAEAフォーラム(IAEA@SIEW)」を初共催。アジア各国でエネルギー安全保障や脱炭素の観点から原子力発電への関心が再燃する中、原子力導入に向けた準備や地域協力について議論した。

EMAのプア・コック・キオンCEOは、「世界的に原子力発電への関心が高まる中、国際的な対話を深め、原子力の安全かつ責任ある開発に関する経験を共有することが重要だ。シンガポールは原子力発電の導入についてまだ決定していないが、能力構築と原子力発電の導入可能性を評価する上で、国際的な経験から学ぶ価値は大きい」とし、本フォーラムの意義を強調した。

また、フォーラム冒頭で歓迎挨拶を行ったMTIのタン・シー・レン大臣は、小型モジュール炉(SMR)を含む原子力技術の進歩によって、地域全体で原子力発電への関心が再び高まっていると指摘。シンガポールはこれらの動向を注視していく考えを示した。また、2027年に予定されているIAEAの「統合原子力インフラレビュー(INIR)」フェーズ1ミッションに向けた準備を進めていることを明らかにした。

INIRミッションでは、同国が先進原子力技術の導入について、十分な情報に基づいて決定するために必要な能力を備えているかどうかが評価される。この準備を支援するためEMAはコンサルタントパネルを設立。技術・経済、法的・規制的枠組み、組織体制の3分野から、同国の原子力インフラ整備状況を評価すると説明した。

また、MTIとEMAが共同で、原子力分野の評価・導入能力を高めるため、政府職員や国内企業を対象とした研修・人材育成支援制度など3つの制度を開始したことを紹介。国家環境庁(NEA)が原子力安全基準や国際的な規制要件、原子力発電所が環境に及ぼす潜在的な影響に関する調査を委託したことにも触れた。さらに、原子力発電に関する地域的な議論も深めていくとし、フィリピンとは専門知識の共有や能力育成などで協力することで合意したことを明らかにした。

IAEAのR. グロッシー事務局長は開会挨拶(ビデオメッセージ)の中で、規制の独立性、資金調達、人材育成、放射性廃棄物管理など、19の原子力インフラに関する課題を検討するIAEAの「マイルストーン・アプローチ」の重要性を強調。同アプローチは、各国が原子力発電の導入を決定する前に、準備段階の不足点を特定する上で役立つと説明した。

またSMRの進展により、小規模な電力網や産業用熱供給への応用可能性にも言及し、技術的な専門知識や規制監督の重要性が高まっていると指摘した。さらに、原子力への投資を呼び込むには、明確な政策と予見可能性の高い事業計画が重要であり、国際金融機関との連携も資金調達に役立つ可能性があると述べた。そのうえで、専門人材の育成と緊急時対応体制の強化、規制に関する知見の共有に向けた国際協力が、アジア各国の能力強化につながるとの認識を示した。

後半のパネルセッションには、カナダ、中国、フランス、韓国、フィリピン、英国、米国、金融機関の政府・業界関係者らが参加。原子力プログラムの実現に必要な政策枠組みや資金調達、国際的なパートナーシップの構築に向けた政府、金融機関、産業界の連携のあり方について議論を交わした。また、インフラやサプライチェーン、人材、制度面での能力整備についても意見を交わした。

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