「高市政権×リベラル系メディア」 電撃解散で予期せぬ追い風が原子力に吹く!
二〇二六年一月三十日
今回の衆議院選挙で注目すべきことは、電撃解散の余波で原子力に思わぬ追い風が吹いたことだろう。高市早苗首相に好意的な情報が多いSNSと若者世代が、反高市色を強めるリベラル系メディアの影響力をどこまで撃破できるかも焦点のひとつだ。
立憲民主党が
「原発再稼働」容認
高市首相が解散を表明した翌日の1月20日付け朝日新聞の朝刊1面の見出しに目が釘付けになった。「安保法制『合憲』 原発は容認 中道、基本政策・綱領発表」の見出しだ。これまで立憲民主党は綱領で「原発ゼロ社会を一日も早く実現する」と言ってきた。これに対し、新党の中道改革連合(以下、中道と略)は「将来的に原発に依存しない社会を目指す」としつつも、安全性の確認と地元合意などを条件に再稼働を容認する姿勢に転じたのだ。
反原発路線の論調を堅持する朝日新聞にとっては、よほどの衝撃だったのだろう。同じ20日付けの3面記事でも「立憲、手放した『安保と原発』 急いだ新党 支持者離反のリスク」との大見出しで立憲民主党の重要な政策転換を報じた。立憲民主党がいくら高市政権への対抗軸として中道政党を目指すとはいえ、原発政策まで「手放す」必要があるのか、立憲よ、もっとしっかりしてくれ、と言いたい気持ちが記事の行間から伝わってくる記事だ。
不思議にも、同じリベラル系の20日付け毎日新聞では「立憲 原発容認」といった見出しは見当たらず、記事の中で「立憲の綱領にある『原発ゼロ』は盛り込まなかった」と短く報じただけだった。立憲民主党が原発再稼働を容認したという事実を読者に広く知らせれば、高市首相に有利に働くという思惑でもあるのかと感じる紙面展開だ。
公明党が立憲民主を飲み込む!
一方、同じ20日付け読売新聞は予想通り、1面で「中道、安保法制『合憲』 基本政策 原発再稼働を容認」との見出しで中道が原発再稼働を容認した事実を大きく報じた。その背景について、読売は「自公連立政権として同法と原発再稼働を容認してきた公明に対し、立憲民主が歩調を合わせた形で…」と解説した。産経新聞(20日付)も1面で「中道綱領 安保法制は『合憲』 基本政策 原発再稼働を容認」との見出しをつけ、立憲民主党の大転換ぶりを強調した。
原発再稼働がなかなかスムーズに進まない理由のひとつとして、立憲民主党などの反対があったことを考えると、再稼働にとっては大きな前進だ。高市首相もまさか解散によって、こういう動きになることは予測していなかったに違いない。立憲民主党の再稼働容認は、まさに高市首相の電撃的な解散が生み出した予期せぬ追い風となった。また、これらの記事を読むと、立憲民主党が公明党に飲み込まれてしまったことが分かる。
イタリアのメローニ首相との親密ぶり
もうひとつ今回の解散は、オールドメディアとSNSの戦いという側面もある。予想通りのことだが、朝日、毎日、東京の各新聞は高市首相に有利なニュースはあまり載せていない。その最たる例がイタリアのメローニ首相の来日に関するニュースだ。
産経新聞(1月17日付)は1面トップで高市首相とメローニ首相が仲良く笑顔で握手する親密ぶりをカラー写真付きで載せ、日本とイタリアの外交関係を「特別な戦略的パートナーシップに格上げする」と報じた。3面でも両首相のカラー写真を載せ、「中国意識、結束アピール」との見出しで中国の分断工作に対抗する両国の姿勢を印象づけた。
読売新聞(1月17日付)も、高市首相がイタリア語の歌でメローニ首相の誕生日を祝うツーショット写真を載せた。「高市流外交 成果を強調」との見出しで高市首相がSNSを積極的に活用して外交成果を幅広くアピールしていると報じた。この記事では韓国の李在明(イジェミョン)大統領と一緒に楽器のドラムをたたく写真も載せ、高市首相の外交手腕を伝えた。
産経新聞と読売新聞を読む限り、これまでの首相とは大きく異なり、高市首相が華やかに外交をこなしている様子が伝わってくる。
毎日新聞は反高市一色!
これに対し、毎日新聞は反高市色があまりにも鮮明だ。メローニ首相が来日した15日付朝刊で高市首相とメローニ首相の写真を載せたが、その写真は昨年11月に開催されたG20(主要20か国・地域首脳会議)での写真だった。記事を読むと、メローニ首相は財政規律を重視するのに対し、高市首相は積極財政だと紹介、そしてメローニ首相は財政赤字を減らす成果を示したが、高市首相の積極予算は財政悪化が懸念され、長期金利が上がるなど、メローニ政権とは正反対だという内容だ。記事からは高市首相の成果は伝わってこない。
しかも、メローニ首相が来日中に高市首相と仲良く交流する場面はいくらでもあったが、両首相がどのような交流をしたかが全く分からない。新聞は「歴史の記録者」であるとよく言われるが、毎日新聞はその記録役を果たしていない。毎日新聞がいかに高市氏を嫌っているかが分かる。
同じリベラル系ながら、朝日新聞(17日付)は「日伊経済安保で連携強化へ 『波長合う』お互いの親密さアピール」との見出しで、両国を特別な戦略的パートナーシップに引き上げることで一致したと報じた。この記事ではメローニ首相にプレゼントを手渡す高市首相のにこやかな写真も載せた。ただ、産経や読売に比べると、高市首相の外交面の成果が伝わってこない。
女子高生が「我らの高市さん」とエール
高市首相とメローニ首相の親密ぶりがより鮮やかに分かるのは、何と言ってもSNSだ。高市首相をサポートする人たちのYouTubeなどを見ると、新聞では全く分からない情報がたくさんあり、非常に参考になる。高市首相を応援する歌までたくさんある。
その意味で面白かったのは1月18日(日曜午前9時54分)に放映されたTBS系「サンデー・ジャポン」だ。私はたまたま見ていたが、コメンテーターゲストとして出演した若い世代の声を聞いて、びっくり仰天した。
同番組に生出演した、インフルエンサーで女子高生のYouTuberひまひまさん(18)は、以下のように話した。
「見ました。やっぱりメローニさんのお子さんがキティちゃん好きってことで渡されたってことで、ちゃんと下調べをして親密外交されてるというのを見て、さすがだなって思いましたし、〝乙女心を分かってるなあ〟と思って、やっぱり我らの高市さんって感じがしますし、いい外交だなぁ、って。すごく誇らしい気持ちになりましたね」(日刊スポーツ1月18日オンライン参照)
女子高校生が「我らの高市さん」という言葉を使い、「すごく誇らしい気持ちになった」と言っているのだ。この番組にはSixTONES(シックストーンズ)の髙地優吾さんも出ていたが、「石破さんとは大違いだなあって、安心がある」と言っていた。タレントの藤田ニコルさんも好意的な発言だっだ。
こういう若い世代の声は新聞を読んでも、どこにも出てこない。やはり新聞を読んでいるだけでは、世の中の動きがつかめない。
兵庫県知事選の再現はあるか?
1月26日になって、各メディアの最新の世論調査が矢継ぎ早に出てきた。読売新聞の調査では高市内閣の支持率は69%、毎日新聞の調査では同57%、日本経済新聞とテレビ東京の調査では同67%、ANN(テレビ朝日系オールニッポン・ニュースネットワーク)の調査では同58%とまずまずの支持率を維持している。どの調査でも若い世代の支持率が最も高い。
いまや新聞を見ているだけでは、高市政権がどの程度支持されているかは、読めない時代になった。24年11月に行われた兵庫県知事選で、新聞やテレビで酷評されていた斎藤元彦氏が、予想に反して再選された大きな理由は、SNSの威力だったと言われている。今回の衆議院選挙も、高市首相に好意的な情報の多いSNSの威力を見せつけてくれるのかどうか。リベラル系新聞の命運を分かつ選挙となりそうだ。
