大手新聞社はなぜ 他紙の世論調査結果を報じないのか? これでは自滅!
二〇二六年六月二日
高市早苗政権の支持率に関する世論調査結果はメディアによって大きく異なるにもかかわらず、一紙だけを読んでいると、まるで印象が異なることが往々にしてある。なぜ、大手新聞社は他紙の調査結果も併せて載せないのか。そのほうが新聞への信頼度は高くなるのに、不思議でしようがない。
毎日新聞の調査では
支持率は50%
5月25日付け毎日新聞を読んだところ、高市内閣の支持率は50%だった(調査は5月23~24日にスマートフォンを対象に行い、一七八〇人から有効回答を得た)。三か月連続して減少しているという。この記事によると、高市首相が発足したあとの25年秋には支持率は65%もあったが、今年1月には57%に下がり、衆議院選挙の勝利でいったん61%に上がったものの、そのあとは下がり続け、5月の調査ではついに50%に下がったという。
そう言えば、毎日新聞は4月15日付の紙面でも、高市内閣の支持率が前月比で3ポイント下がって、58%に落ちたことについて、「たかが3ポイント減と言うなかれ」との見出しで、支持率が下がった要因を解説していた。それによると、女性の支持率が4ポイント下がって57%になったことが支持率を下げた主な要因だという。
女性と若年層が
高市離れ?
では、なぜ、女性の支持率が下がったのか。毎日新聞は、ミサイルなど殺傷能力をもつ武器が輸出可能となった防衛装備品の緩和策に対して、女性では反対が58%と高くなったことを挙げた。さらに高市首相がイラン攻撃に対する法的評価を避けていることに対して、女性では「支持しない」(35%)が「支持する」(26%)を上回ったことを挙げた。つまり、女性は男性に比べて、武力行使や紛争に対してより敏感に反応する傾向があることが、支持率離れを引き起こしたというのだ。
確かに毎日新聞の世論調査では高市内閣への支持率は一貫して下がっている。冒頭で述べた5月の世論調査結果では、女性だけでなく、若年層(18~29歳)の支持率も45%(2月の調査では70%もあった)と大きく減少した。見出し(5月25日付)は「女性・若年層で下落顕著」だった。毎日新聞を読んでいると高市内閣はいよいよ女性からも若年層からも見放され、崖っぷちという印象を与える。
2~3%の差は
誤差の範囲!
ところが、毎日新聞と同じ5月25日付けの読売新聞は5月22~24日に行った世論調査結果として、高市内閣の支持率は64%と前回の4月(66%)とほぼ横ばいだったと報じた。支持率が横ばいのせいか、読売新聞はナフサの供給問題を重視し、一面の見出しは「ナフサ説明『納得せず』64%」だった。
毎日新聞は支持率が3ポイント下がっただけで、「たかが3%」と見くびってはいけないと批判の矢を放ったのに対し、読売新聞は2ポイントの減少を横ばいだと肯定的に報じた。
世論調査の数値で2~3%の差はどうみても、母集団(答えた人)や聞き方の違いなどによる誤差の範囲だと思うが、新聞社の政治的な姿勢でこうも分析が異なるのかと驚いてしまう。
一方、東京新聞(5月23日オンライン)は共同通信社の調査(5月16~17日に実施)として、高市内閣の支持率は前月より2・5ポイント下がって、61・3%と報じた。記事では「内閣支持率は底堅いが、高市政権がやったこと、やろうとしていることに対し、批判的な回答が多くなっています。たとえば、共同通信の調査では、殺傷能力のある武器輸出解禁への反対が賛成をかなり上回った」と分析した。支持率が底堅いことを伝えたとはいえ、毎日新聞と同様の論理で武器輸出への批判を展開した。
TBSの調査では
支持率は74%
毎日新聞と同じ反高市陣営に属する朝日新聞社はどうか。5月の世論調査結果はまだ紙面には出ていないが、4月18~19日に行った調査では、高市内閣の支持率は64%で前月(61%)よりも高く、毎日新聞とは全く異なる。朝日新聞は25年10月の内閣発足から半年を迎えるなかで「依然として歴代屈指の高い水準の支持率を保っている」と報じた。
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)も、4月の世論調査では支持率は70・2%(前月比で3ポイント上昇)と高かった。これは朝日新聞とほぼ似たような結果だった。
一方、TBSテレビがJNN(TBSテレビをキー局として全国28局で構成されるネットワーク)の世論調査結果として、5月3日に報じた結果では、高市内閣の支持率は前月から2・7ポイント上がって、74・2%だった。
これを見て分かるように、毎日新聞だけが異様に低い。つまり、テレビを見ている人は総じて、高市内閣は高い人気を持続しているとの印象をもち、毎日新聞を読んでいる人は高市人気は急落しているとの印象を持つことが分かる。毎日新聞は単に支持率の下落を報じているだけではない。作家の平野啓一郎氏は「平野啓一郎のリアルトーク in NY」とのコラム紙面(4月28日付)で高市首相に対して、高市氏がトランプ大統領に会うなり、いきなり飛びつき、肩に手を当て、胸に横顔を押し当てている映像を語りながら、高市政権に批判的な記事を載せている。毎日新聞を読む限り、どこまでいっても批判ばかりだ。これでは偏った情報しか読めない。
大手新聞は他紙の記事を
要約して載せたらどうか
これらの世論調査結果を読んでいて、不思議な気持ちになる。なぜ、新聞社は他紙が実施した世論調査結果を併せて報じないのかという疑問である。たとえば、毎日新聞がいくら「高市内閣の支持率が急落している」と訴えても、他紙が高い支持率を報じていることを知ってしまえば、毎日新聞の記事に説得力は感じられない。むしろ不信感が残る。
読者が知りたいのは、一紙だけの調査結果ではない。他のメディアがどう報じたかも知りたいのである。ネット情報が普及する中で紙媒体の一紙が世の中をリードすることはもはや不可能である。他社の調査結果も含めて、いま世論がどうなっているかを分析した記事を載せてくれれば、その記事こそが信頼できる。そう思うのは私だけではないはずだ。
週に一回でもよい。他紙が報じた記事を一ページまるごと詰めて報じてくれれば、その新聞を購読したい。多様な記事の掲載こそが生き残る道だ。

