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岸田首相がNPT運用検討会議出席へ

21 Jun 2022

松野博一官房長官は6月21日の記者会見で、8月に米国で開かれる核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議に岸田文雄首相が出席する予定を明らかにした。

核兵器禁止条約への政府対応に関連した記者からの質問に答えたもので、日本の首相としての出席は初となる。NPT運用検討会議の会期は8月1~26日が予定されているが、岸田首相の出席日程については現在調整中。松野官房長官は、「核兵器国と非核兵器国との双方が参加する国際的な核軍縮・不拡散体制の礎石」と、NPTの意義を改めて強調。その上で、「総理自らが出席し、政府として同会議で意義ある成果を収められるよう全力を尽くす」とした。岸田首相は昨秋の就任以来、「被爆地(広島)出身の総理大臣として、核兵器のない世界に向けて全力を尽くしていく」と繰り返し述べている。

5年に1度開催されるNPT運用検討会議は、条約が発効した1970年以来、その時々の国際情勢を反映した議論が展開されてきた。日本は条約発効50周年となる2020年開催予定の同会議の意義ある成果に向け様々な取組を行ってきたが、新型コロナの影響で延期が続いていた。度重なる延期を受け、日本外務省と米国国務省は2022年1月、同会議の早期開催に向けた機運を維持・高揚すべく日米共同声明を発出している。

一方、今日から開かれる核兵器禁止条約の締約国会議に日本政府はオブザーバーとしても参加しないが、これに関し、松野官房長官は、同条約の意義に一定の理解を示しながらも、「核兵器国は1か国も参加していない。わが国は唯一の被爆国として核兵器国を関与させるよう努力し、核兵器のない世界に向けて現実的な取組を進めていく考え」と説明している。

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