原子力産業新聞

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「使用済燃料対策推進協議会」エネ基策定後 初開催

18 Apr 2025

石川公一

経済産業省の「使用済燃料対策推進協議会」が4月17日、1年3か月ぶりに開かれた。同協議会は、核燃料サイクル事業の推進について、事業者と話し合う場として、2015年以来、行われている。今回は、武藤容治経済産業相他、資源エネルギー庁幹部、電力11社および日本原燃の各社社長が出席。〈配布資料は こちら

今回の同協議会開催は、2月の「第7次エネルギー基本計画」閣議決定後、初めてとなる。新たなエネルギー基本計画では、
 (1)使用済み燃料対策の一層の強化
 (2)再処理等の推進
 (3)プルトニウムの適切な管理と利用
 (4)高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた取組の抜本強化
 (5)立地自治体等との信頼関係の構築
――に基づき、バックエンドプロセスの加速化を図ることとされている。

前回の協議会開催以降、核燃料サイクルをめぐる動きとしては、六ヶ所再処理工場およびMOX燃料工場のしゅん工目標について、日本原燃は2024年8月29日、審査に時間を要していることから、それぞれ「2026年度中」、「2027年度中」と、見直すことを発表。また、リサイクル燃料備蓄センター(むつ市)では、2024年9月26日に柏崎刈羽原子力発電所から使用済み燃料を入れたキャスク1基の搬入を完了し、同年11月6日に事業を開始している。また、最終処分については、北海道の寿都町と神恵内村に続き、佐賀県玄海町で2024年6月10日より文献調査が開始されている。

武藤経産相は、事業者より、使用済み燃料対策の進捗について報告を受け、六ヶ所再処理工場のしゅん工目標達成に向けた支援、使用済み燃料対策強化に向けた連携強化とともに、高レベル放射性廃棄物最終処分の取組強化、国・原子力発電環境整備機構の協力について要請。

具体的には、
 (1)六ヶ所再処理工場のしゅん工目標達成に向けた日本原燃への支援
 (2)使用済み燃料対策
 (3)事業者間の連携を通じたプルトニウム利用のさらなる促進
 (4)最終処分およびガラス固化体の搬出期限遵守
 (5)地域振興
――の5項目をあげた上、六ヶ所再処理工場のしゅん工に向けては、人材確保、サプライチェーンや技術維持の必要性を指摘。使用済み燃料対策としては、再稼働が進む関西電力による「使用済み燃料対策ロードマップ」の確実な実行や地元への丁寧な説明などをあげている。

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