原子力産業新聞

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福島第一2号機 2回目の燃料デブリ試験的取り出し完了

25 Apr 2025

石川公一

採取した燃料デブリ(メッシュは1mm)

東京電力は4月24日、福島第一原子力発電所廃炉の進捗状況を発表した。〈東電発表資料は こちら

2号機については、4月15日より着手したテレスコ式装置(釣り竿を引き伸ばすイメージ)による2回目の燃料デブリの試験的取り出しを4月23日に完了。今回は、昨秋に試験的取り出しを完了した1回目の取り出し場所とは異なる原子炉格納容器内の中心付近に近い箇所にアクセスできるものと判断し、燃料デブリを把持するとともに、その周囲の映像撮影に成功した。

今回、2号機より取り出された燃料デブリは約0.2g。同機原子炉建屋内に設置のグローブボックスにおいて線量率や重量などの測定を行っており、1回目の取り出しと同様、日本原子力研究開発機構大洗工学研究所における詳細分析に向けて、構外輸送の準備が現在進められている。分析結果は、引き続き今後の燃料デブリ取り出し工法および安全対策や保管方法の検討に活用される運びだ。

福島第一廃炉推進カンパニーの小野明プレジデントは4月24日の月例記者会見で、2024年10月の前回作業時より「奥側にアクセスできた」と、進捗の意義を強調。分析結果を通じペデスタル下の状況把握に努めていく考えを述べた。2号機における燃料デブリの試験的取り出しに関しては、テレスコ式装置による作業はこれで終了となる見込み。引き続き、英国との協同で開発されたロボットアームを用いた取り出し作業が2025年度内に予定されており、現在、準備中となっている。

今回取り出された燃料デブリは4月25日、放射線を遮る容器に収納され、午前9時50分に福島第一原子力発電所を出発。午後1時半に原子力機構の施設に到着した模様。

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