原子力産業新聞

国内NEWS

Pu保有量44.4トン 前年からわずかに減少

06 Aug 2025

中西 康之助

令和6年における我が国の分離プルトニウムの施設内増減量及び施設間移動量 ©原子力委員会

内閣府は、85日に開催した原子力委員会の定例会議にて、日本が2024年末時点で国内外に保有するプルトニウムの総量が約44.4トンであることを明らかにした。

内訳は、国内の保管量がおよそ8.6トン、海外での保管量がおよそ35.8トン(英国に約21.7トン、フランスに約14.1トン)であった。2023年末時点の総量は約44.5トンであったため、わずかながらに減少した。減少は4年連続。

海外に保管中のプルトニウムとは、国外(英仏)に再処理を委託しているが、まだ日本国内に返還されていないものを指す。これらは原則として、海外でMOX燃料に加工され、国内の発電プラントで利用されることになっている。

日本政府は、プルトニウム利用の透明性の向上を図り、国内外の理解を得ることが重要であることから、国際原子力機関(IAEA)の管理指針(プルトニウム国際管理指針)に基づき、国内外において使用及び保管している未照射分離プルトニウムの管理状況を、1994年から毎年公表するとともに、IAEAに提出している。

プルトニウムの削減が進まなかった理由として原子力委員会は、2024年は、日本がイギリスとフランスに委託してきた使用済み燃料の再処理が行われず、プルトニウムの回収がなかったことや、MOX燃料の装荷実績がある関西電力高浜発電所34号機(PWR87.0kWe×2)、四国電力伊方発電所3号機(PWR89.0kWe)にて、昨年、新たなMOX燃料が装荷されなかった影響だとしている。

cooperation