原子力産業新聞

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敦賀2号の再稼働へ 追加調査

25 Aug 2025

中西 康之助

D-1トレンチでの追加調査の概要 ©日本原電

日本原電は8月21日、再稼働を目指している敦賀発電所2号機(PWR116kWe)の、新規制基準への適合性確認のための追加調査計画を発表。同社の坂井毅志敦賀事業本部長は同日、福井県庁と敦賀市役所を訪れ、計画の概要を説明し、計画を報告した。

同機は202411月、再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査で、敷地内のD-1トレンチ内に認められるK断層の活動性及び連続性が否定できないとして、不合格となっていた。

同社は早ければ9月から2年程度かけて、敷地内の断層の調査や破砕帯に関する調査・評価に取り組む。社外の専門家の意見も踏まえながら、原子力規制委員会への審査の再申請を目指す考えだ。

追加調査では、K断層の分布と性状を詳細に把握すべく、同断層が確認されているD-1トレンチの地下深部までボーリングを実施する予定。そして、1213万年前より古い断層であることの立証に向け、地層の拡がりや堆積年代に係るデータを蓄積する。

また、断層の活動状況や連続性の否定の証明に向け、岩盤までの掘削や原子炉建屋に向けた調査杭を掘り、K断層が重要施設の直下まで連続していないことの証明を目指すという。

円滑な調査の遂行に向けて、同社は同日、91日付で組織改正を実施することを発表した。地質・地盤調査に関する技術的な総括管理や、計画の進捗管理などを行う追加調査技術総括・推進チームを、開発計画室に設置する。

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