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九電グループ 成長加速に向け純粋持株会社へ キューデンホールディングス設立

06 Apr 2026

中西康之助

川内原子力発電所©九州電力

九州電力は3月26日、純粋持株会社体制へ移行する方針を正式に決定したと発表した。グループを統括する親会社「キューデンホールディングス株式会社」を2026年10月1日に設立する。2026年6月に開催予定の定時株主総会での承認を前提に、段階的に体制移行を進めるという。

キューデンホールディングスの社長には、九州電力の現代表取締役社長執行役員の西山勝氏が就任し、事業子会社へと移行する九州電力の取締役社長には中村典弘氏が就任する。大手電力9社のうち、純粋持株会社体制へと移行するのは九州電力が初。

同日、記者会見には西山氏・中村氏の両社長が登壇。西山社長はキューデンホールディングスと名付けた理由について、「各所でお客様から『キューデンさん』と呼んでいただくことが多く、この名称自体が当社グループのブランドを象徴している」と説明。その上で、「今後は九州の電力事業にとどまらず、成長分野を含めた新たな事業にも挑戦し、九州の電力会社という枠にとらわれない姿勢を、この名称に込めた」と述べた。

また、2027年4月にグループ再編を行うことも併せて発表し、九州電力送配電、九電みらいエナジー(再エネ)、QTnet(情報・通信事業)、キューデン・インターナショナル(海外事業)、九電都市開発(新設)の主要6社を中核とする体制を構築するという。

新体制への移行は、「全体最適視点でのグループ経営」と「各事業の自律的かつ迅速な運営」の両立を狙いとしたもので、キューデンホールディングスの主な事業内容は、グループ全体の経営戦略策定や経営管理となる。事業子会社へと移行する九州電力は、原子力発電事業を含む国内の電気事業にフォーカスする。

キューデンホールディングスの役割について問われた西山氏は、「グループ全体の成長を見据え、どのようにマネジメントしていくかが重要になる」とコメント。その上で、「経営管理にはアクセルとブレーキの双方が不可欠であり、どの分野を伸ばし、どこを抑えるかといったバランスを適切に取っていく必要がある」との考えを示した。

なお、東京電力や中部電力も持株会社体制を取っているが、原子力事業はホールディングスが自ら担っている。一方で、キューデンホールディングスは同2社とは異なり、新体制へと移行後も、原子力事業を九州電力(子会社)が担う。このような事例も大手電力9社で初となる。

原子力発電所を持つ主体が持株会社(キューデンホールディングス)ではなく子会社(九州電力)となることや、それに伴う責任のあり方について問われた西山社長は、「国内の電気事業を担う九州電力(子会社)が多様な電源を保有し、安定的に電力を供給するのが基本的な姿で、電源ごとに分ける必要はないと考える」との認識を示した。

その上で原子力の安全性については、「事業者である九州電力が安全確保の責任を負うことは大前提」と強調。一方で、「キューデンホールディングスが別の視点から原子力の運転状況を監視・監督することで、チェック機能が強化される。監督する目が増えることはむしろ良いことだろう」と述べた。また、西山社長は、新たに九州電力の社外取締役にも就任する予定で、ガバナンスの実効性を確保していく方針を説明した。

また、西山社長は、「今回の体制移行を通じて各事業に責任と権限を委ねることで、事業ごとの成長を促し、グループ全体としてキャッシュフローの積み上げを図ることができる」と説明。その上で、「各事業が成長すれば利益も積み上がり、その結果として原子力事業に投入できるリソースも拡大していくだろう」と述べ、新体制への移行は原子力発電事業を含めたグループ全体の持続的成長に繋がると強調した。

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