原子力産業新聞

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ブロッサムエナジー 高温ガス炉搭載LNG船の経済性を評価

09 Oct 2026

佐藤敦子

2026年9月14日~17日にタイ・バンコクで開催された国際会議「Gastech 2026」(Blossom Energyプレスリリースより)

革新炉の研究開発に取り組むスタートアップ企業、ブロッサムエナジー(東京都台東区)は9月30日、米国船級協会(ABS)と海外の海運会社と共同で、高温ガス炉(HTGR)を搭載した原子力推進LNG船の技術・経済性を評価したと発表した。成果は9月にタイ・バンコクで開かれた「Gastech 2026」で発表。温室効果ガス(GHG)規制に伴う負担を複数のシナリオで想定して経済性を評価した結果、従来のLNG燃料船と比べ、総所有コスト(Total Cost of Ownership=TCO)を最大15%低減できるとの試算を示した。 

 評価対象は、積載容量17万4,000立方メートル級のLNG船。同社が開発する出力2万~2万5,000kWe級のHTGRの搭載を想定し、原子炉の寸法や燃料交換周期などを検討した。2040年の就航、25年間の船舶寿命、5%の割引率などを前提に、ライフサイクル全体のTCOを評価した。 

 原子力推進船の初期投資額は従来のLNG船の約2.5倍となる一方、燃料費やGHG排出に伴う費用を抑えられる。GHG規制に伴う負担を考慮したシナリオでは、TCOは従来船比で最大15%低減した。一方、GHG関連の課金を考慮しない場合には、現状想定する初号機(FOAK)の原子炉コストでは、従来船に対するTCO上の競争力を確保することは難しいとした。原子炉の量産化や設計の標準化、原子炉搭載を前提とした船舶設計によるコスト低減が課題となる。 

 研究では、原子炉を船舶の一部ではなく、長期間利用する「エネルギー資産」として扱う事業モデルも検討された。船舶が寿命を迎えた後、原子炉を別の船舶に再搭載して利用することを想定し、その可能性を残存価値の評価に織り込んだ。 

 国際海運ではGHG排出規制への対応が課題となっている。国際海事機関(IMO)は2023年7月、2050年ごろまでに国際海運からのGHG排出をネットゼロとする新たな削減戦略を採択した。ブロッサムエナジーは今後、研究で得られた知見を踏まえ、HTGRの経済性向上に向けた技術・規制面の検討を進めるとしている。 

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