米ABSとDOE 海上における商用原子力技術推進で協力
20 Oct 2026
米国船級協会(ABS)と米エネルギー省(DOE)原子力局は10月12日、海上での最新の商用原子力技術の活用促進に向けた覚書を締結した。本合意は、浮体式原子力発電所や原子力推進船舶に加え、それらの建造・維持に必要な港湾、造船所、産業基盤の整備を対象としている。
優先事項として、浮体式原子力発電および原子力輸送ルートに関する概念・実現可能性調査のほか、原子力推進船を安全に建造・運用できる米国の造船業界の育成支援を掲げている。ABSは、米運輸省海事局(MARAD)傘下の米国海事イノベーションセンター(USCMI)を通じて、関連業務の調整を行う。
ABSのJ. マクドナルド会長兼CEOは「先進原子力技術は構想から実用化へと移行しつつあり、海運業界はそれに備える必要がある」と述べ、DOEや業界と協力し、原子力技術を商業海事分野で安全かつ実用的に活用できる選択肢として確立していく意欲を示した。ABSは、原子力技術の海事利用に向けた取組みを先導しており、浮体式原子力発電所に関する業界初の包括的な船級規則を公表したほか、さまざまな原子力プロジェクトに基本設計承認(AiP)を発給している。
一方、DOEは、浮体式原子力発電や原子力推進船舶の導入を進めるため、米国内の政府機関と海事産業との調整・連携を促進する。本覚書に基づき、ABSと海事原子力応用グループ(MNAG)を共同運営し、概念検討や実現可能性調査に関して、技術、規制、経済、政策の各面から検討を進める。また、DOE傘下の国立原子炉イノベーションセンター(NRIC)は海事・原子力分野の専門家を結びつけ、海事分野における先進原子力技術の実証と商業化を促進するため、MNAGを支援している。
DOEのT. ガリッシュ原子力担当次官補は「先進原子力技術には、商用海運業界を変革し、新たな市場を切り拓く可能性がある」と述べ、新興産業における米国の主導的な役割に期待を寄せた。





