原子力産業新聞

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JAEAが第21回報告会 原子力の持続可能性に向けた研究成果を紹介

30 Oct 2026

佐藤敦子

基調報告を行うJAEAの小口正範理事長

日本原子力研究開発機構(JAEA)は10月28日、有楽町朝日ホール(東京都千代田区)で、第21回原子力機構報告会を開催した。会場には約400人が来場し、YouTubeでのライブ配信 も行われた。今回は「未来に価値を」をテーマに、原子力の持続可能性を高めるバックエンド分野の研究開発に焦点を当てた。JAEAの研究者らが日頃の研究風景を収めた映像などを交えながら、最新の研究成果やその意義を紹介した。 

冒頭、小口正範理事長が基調報告を行った。小口理事長は、福島第一原子力発電所事故以前と、原子力の役割が再び注目される現在とでは、原子力の平和利用の方向性そのものが変化しているとの認識を示した。そのうえで、従来のエネルギー供給に加え、脱炭素社会の構築や経済安全保障、国家安全保障といった新たな価値が求められていると指摘。また、原子力の平和利用の継続性については「いまだ合格点がつけられる状況にはない」とし、放射性廃棄物の処理・処分や原子力施設の廃止措置を課題に挙げた。

続く「サスティナビリティの最前線」と題した個別報告では、3件の研究成果が紹介された。新型転換炉原型炉「ふげん」で廃止措置に携わる木浦滉太氏は、クリアランス金属の再利用について報告。設備や機器の解体で生じた金属を除染し、国の確認を受けて資源として再利用する取り組みを、自転車で再利用先を訪ねる映像や作業現場の様子を交えて紹介した。 

原子力科学研究所のNXR開発センターからは、高レベル放射性廃棄物に含まれる有用な元素の回収技術が紹介された。実際の高レベル放射性廃液から、医療利用が期待されるストロンチウムを回収することに成功し、2029年度には大学などの研究機関への試験的な供給開始をめざしている。また、福島廃炉安全工学研究所からは、福島第一原子力発電所のALPS処理水の第三者分析について報告があった。 

今回は、原子力になじみのない人にも研究への関心を持ってもらえるよう、発表内容や演出を工夫したという。その一環として、科学実験の動画配信などで人気のサイエンスアーティスト、市岡元気氏(元気先生)を初めて招いた。市岡氏は、3Dプリンターで製作した原子の模型や実験、クイズなどを交えながら、JAEAの研究内容や、その背景にある科学の仕組みを子どもにも分かりやすい形で解説した。 

会場では、JAEAの研究成果を紹介する展示のほか、研究拠点が立地する自治体のPRブースも設置され、特産品などを販売。休憩時間には参加者が発表者に直接質問できる機会も設けられた。 

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