原子力産業新聞

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IHIが米ニュースケール社のSMR事業に参画へ

27 May 2021

ニュースケール社が開発するSMRの概要(日揮発表資料より引用)

IHIは5月27日、米国ニュースケール社が開発を行っている小型モジュール炉(SMR)の事業に、日揮ホールディングスとともに参画することを決定したと発表した。〈IHI発表資料は こちら

ニュースケール社が開発を進めているPWRタイプのSMRは、複数の原子炉モジュールをプール内に設置する構造で、出力7.7万kWのモジュール を最大12基設置可能(最大92万kW)。実証炉としてアイダホ州の国立研究所内に2029年の運転開始を目指しており、2020年8月には米国原子力規制委員会(NRC)より設計承認を取得した。

ニュースケール社による出力調整のイメージ、風力発電の出力変動に対応する(日揮発表資料より引用)

2021年4月には同社のSMR事業に対し日揮ホールディングスが出資を表明し、総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会でも、国際連携を通じたイノベーション協力の一例として注目された。SMRはシステムのシンプル化による信頼性向上、モジュール生産による工期短縮のメリットを持ち、カナダや英国でも開発が進められている。ニュースケール社プラントについては、モジュールの着脱切替などにより再生可能エネルギーの出力変動調整を的確に行うことも可能。

原子力機器メーカーとして多くの実績を持つIHIは、「SMRが脱CO2社会実現の有力なソリューションの一つになり得る」と期待し、今回のニュースケール社による事業への出資を決定したとしている。

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