原子力産業新聞

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政府、2020年代の住民帰還に向け避難指示解除の考え方示す

01 Sep 2021

帰還困難区域と特定復興再生拠点区域の整備状況(復興庁発表資料より引用)

政府の復興推進会議と原子力災害対策本部会議の合同会合が8月31日に開かれ、避難指示解除に関する新たな考え方を決定した。〈配布資料は こちら

福島第一原子力発電所事故に伴う避難指示は、帰還困難区域を除き2020年3月までに、双葉町に設定されていた避難指示解除準備区域を最後にすべて解除されているが、双葉町、大熊町、浪江町、富岡町、飯舘村、葛尾村、南相馬市に残る帰還困難区域については、5年前の2016年8月31日、両会議は線量の低下状況を踏まえ避難指示を解除し居住可能となることを目指す「特定復興再生拠点区域」を設定する方針を示し、現在、6町村の同拠点区域で除染やインフラ整備などが進められているところだ。

福島県浜通り12市町村の状況(復興庁発表資料より引用)

このほど示された新たな考え方は、「拠点区域外への帰還・居住に向けた避難指示解除の方針を早急に示して欲しい」との地元からの要望を踏まえ、帰還意向のある住民が2020年代に帰還できるよう避難指示解除の取組を進めていくため、帰還意向確認(すぐに判断できない住民にも配慮し複数回実施)、除染開始時期・範囲、予算・財源確保などに係る基本方針について定めたもの。

今回の方針決定に関連し、福島県の内堀雅雄知事は、同日まとめられた政府の2022年度概算要求に対し発表したコメントの中で、「特定復興再生拠点区域」外に係る調査事業が新たに盛り込まれた(事項要求)ことなどに言及し、「各省庁が本県の復興・創生を真摯に検討した結果と認識」としている。

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