原子力産業新聞

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東北電力 乾式貯蔵施設を新設へ

30 Jul 2025

中西 康之助

女川原子力発電所2号機建屋(バーチャル)©東北電力

東北電力は729日、女川原子力発電所の敷地内に新設を目指す乾式貯蔵施設について、宮城県および女川町と石巻市より、安全協定に基づく事前了解を得て、着工の了解を受けたと発表した。

宮城県庁を訪れた東北電力原子力本部の阿部正信原子力部長に、県の担当者が「一時的に貯蔵するための施設であることを前提に了解する」とした回答書を手渡した。

なお、同施設の基本設計に係る「原子炉設置変更許可申請」は、2024228日に原子力規制委員会へ申請し、2025528日に許可されていた。

使用済み燃料乾式貯蔵施設とは、使用済み燃料を原子力発電所から搬出するまでの間、一時的に貯蔵するための施設で、「使用済み燃料乾式貯蔵建屋」と「使用済み燃料乾式貯蔵容器」で構成される。女川原子力発電所2号機(BWR82.5kWe)の使用済み燃料プールにて十分に冷却された使用済み燃料を、金属製の乾式貯蔵容器(キャスク)に収納し、空気の自然対流によって冷却する。同社の計画では、施設は鉄筋コンクリート造で2棟を建設し、最大で計約1,300体の燃料が入る。1棟目は来年5月に着工する予定だ。

同社によると、昨年10月に再稼働した2号機原子炉建屋内の使用済み燃料プールは、729日時点で貯蔵率が79%を超えていた。

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