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ポーランド、最初の原子力発電所の建設サイト地点を選定

23 Dec 2021

ポーランド北部ポモージェ県の地図(左)。青い部分がルビアトボ-コパリノ地点で黄色がジャルノビエツ地点 ©PEJ

ポーランドでの原子力発電導入を目指し、同国の国営エネルギー・グループ(PGE)が設立した原子力事業会社のPEJ社(=Polskie Elektrownie Jądrowe、2021年6月に社名をPGE EJ1社から改名)は12月22日、同国初の原子力発電所のサイトとして、バルト海に面した北部ポモージェ県内のルビアトボ-コパリノ地点を選定したと発表した。

選定に当たっては、サイト住民の安全性や周辺環境に及ぶ影響面であらゆる要件を満たす必要があったため、PEJ社は2017年以降、ポーランド全土で前例のない規模のサイト調査と環境影響評価を詳細に実施した。今回、これらの観点から最良の地点を選定したとしており、今後は政府に許可申請手続きを行いたいとしている。

ポーランドでは1980年代に40万kW級のロシア型PWR(VVER)をジャルノビエツで建設する計画が進展したが、チェルノブイリ事故の発生を受けて同計画は1990年代に頓挫した。政府はその後、エネルギー源の多様化と温室効果ガスの排出量削減を図るには原子力の導入が妥当と判断、2009年に改めて原子力開発ロードマップを策定した。2つのサイトで合計600万kWの原子力発電設備建設を目指すという内容だったが、今年2月に決定した「2040年までのエネルギー政策」では、2043年までに複数のサイトで最大6基の原子炉(600万~900万kW)を稼働させるとしており、初号機については2033年までに運転を開始させる方針である。

PEJ社がサイト調査や環境影響評価を開始した当初、対象地区は国内の90か所以上におよんでおり、選定に際しては地形や冷却水の確保、自然保護といったファクターを重視。サイトに通じる道路網や鉄道網、送電網など既存のインフラ設備や、これらのインフラをサイトまで延長する可能性などを考慮した。ポモージェ県内における候補地点の絞り込みでは、ルビアトボ-コパリノとジャルノビエツの2地点で調査結果の一層詳細な分析作業を行っている。

PEJ社は現在、これらの分析結果を環境影響声明書(EIA)に取りまとめている。原子力発電所の建設に関するEIAの作成は同国では初めてのため、米国で環境事業を展開するジェイコブス社の東欧支部が技術アドバイザーを務めているほか、ポーランド国内の専門家グループや関係する科学センターなども協力している。

PEJ社によるとEIAの内容はすでに固まっているものの、2015年にポーランドで環境影響面の立地プロセスが具体化されて以降、基盤となる関係法規が欧州連合(EU)レベルで数回にわたって変更されており、手続きを進めるには国内法制の改定が必要。PEJ社としては今回のEIAの審査に必要な関連法案の改定を待って、2022年の第1四半期にも完成したEIAを環境保全総局に提出する考えである。

(参照資料:PEJ社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの12月22日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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