原子力産業新聞

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ブルガリア BWRX-300の配備検討でポーランド企業と協力

08 Jan 2026

桜井久子

© SGE

ブルガリアの首都ソフィアに拠点を置く原子力発電プロジェクトのデベロッパーであるブルーバード・エナジー社(BBE)は1222日、ポーランドの大手化学素材メーカーであるシントス社のグループ企業シントス・グリーン・エナジー(SGE)社と基本合意書(LOI)を締結した。ブルガリアにおいて最大6基の米GEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社製の小型モジュール炉(SMR)「BWRX-300」(BWR30kWe)の配備に向けて合弁企業を設立する。ブルガリアの産業に炭素を排出せず安価なベースロード電力を供給し、AI向けのデータセンターを支援、地域暖房の脱炭素化をねらう。

BBE社の主な株主は、ブルガリア最大かつ欧州南東地域で有力な建設・エンジニアリンググループのグラブボルガルストロイ社と同国最大の銅採掘・加工会社のアサレル・メデット社。設立される合弁企業は、サイト選定と準備、許認可取得作業、建設・プロジェクト管理、資金の調整などを実施する。

一方のSGE社は、2018年に設立された中東欧地域のSMR開発プラットフォームで、PKNオーレン社と折半出資する合弁会社オーレン・シントス・グリーン・エナジー(OSGE)社を2022年に設立している。OSGE社は202312月に気候環境省から国内6地点における合計24基のBWRX-300を建設する原則決定(decision-in-principle=DIP)を取得。現在、3地点で開発作業を進めており、内、同国中部にあるブウォツワベク(Włocławek)において、初号機を2032年までに完成させる予定である。

なおSGE社はGVH社との合意に基づき、中東欧地域におけるBWRX-300プロジェクトデベロッパーとしての役目を担っており、ブルガリアのほか、ハンガリー、スロバキアでもパートナーシップを構築している。

さらに同社は1211日、韓国の建設大手であるサムスンC&T社(サムスン物産)とSMR展開協力に関する覚書を締結。これにより、SGE社の原子力技術導入の専門知識とサムスンC&T社の原子力およびエネルギーインフラの提供におけるグローバルなエンジニアリング、建設、プロジェクトの実行能力を組合わせ、中東欧地域におけるBWRX-300展開で将来のパートナーシップの機会を探る。また、サムスンC&T社はSGE社のSMR開発プラットフォームに戦略的投資の検討も行うという。

本協力の一環として、両者は実行可能性調査、現地データ、環境評価、評価報告書などの関連情報を共有し、サムスンC&T社のエネルギーインフラプロジェクト遂行におけるノウハウも活用することとしている。

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