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エジプト規制当局 エルダバ2号機の建設を許可

02 Nov 2022

ENRRAのスタッフ ©ENRRA

エジプトの原子力規制・放射線当局(ENRRA)は10月31日の理事会で、同国初の原子力発電所となるエルダバ発電所(120万kWのロシア型PWR:VVER-1200×4基)について、2号機の建設許可発給の方針を決定した。

原子力発電所の建設は同国のA.F.シシ大統領の指示で進められており、サイトではすでに今年7月に1号機が本格着工、2028年の営業運転開始を目標に建設工事が進められている。同国で原子力発電の導入計画を担当する原子力発電庁(NPPA)は、エジプトの首都カイロの北西300kmに位置する地中海沿岸の同発電所で、最終的に4基の120万kW級VVERを建設することを計画。これらで電源の多様化を図って国内産業を支援するほか、2030年までの国家ビジョンに沿って総電力需要の9%を原子力で賄うなど、同国のエネルギー供給保証を強化していく方針である。

折しも、同国は今月6日から18日まで、西部のシャルム・エル・シェイクで国連気候変動枠組条約締約国会議(COP27)を開催する予定。石油や天然ガス等の火力発電所を原子力で置き換えていくことは、同国における環境戦略の主要政策になると見られている。

エジプト政府は2015年11月に、原子力発電所の建設プロジェクトに関する二国間協力協定(IGA)をロシア政府と締結しており、ロシア側から最大250億ドルの低金利融資を受けることになった。両国政府はまた、2017年12月にエルダバで4基のVVER-1200を建設するパッケージ契約書に調印、この契約でロシア側は発電所を建設するだけでなく、60年にわたる稼働期間中の原子燃料をすべて供給する。また、使用済燃料の貯蔵施設や貯蔵キャスクもエジプト側に提供、人材育成や設備のメンテナンスにも協力することになっている。

ENRRAの発表によると、NPPAは2019年1月に1、2号機の建設許可申請手続きを開始しており、2021年6月末までにこれら2基の予備的安全解析報告書の提出を終えた。これらの関係文書を審査したENRRAは1、2号機が国際的に最も厳しい安全基準を最大限に満たし得るか確認、今年6月には1号機に対して建設許可を発給している。

2号機についても、ENRRAは建設に必要とされる要件の順守状況や建設サイトの準備状況等について、現地で複数回の点検を行っており、10月下旬には最終的な総合点検を実施。これらの審査や評価の結果に基づいて、ENRRA理事会が今回、同機への建設許可発給を決めたと説明している。

なお、この建設プロジェクトを請け負ったロシアの原子力総合企業ロスアトム社の8月の発表によると、韓国水力・原子力会社(KHNP)が同発電所の4基にタービン系を製造・納入することになった。ロスアトム社傘下のエンジニアリング企業アトムストロイエクスポルト社と結んだ契約に基づき、KHNP社は約80もの関係建屋や構造物を建設するほか、タービン系に必要な資機材を調達するとしている。

(参照資料:ENRRAロスアトム社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの10 月31日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

 

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