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米国で建設中のボーグル3号機、原子炉容器に「一体化上部カバー」の据え付け完了

14 May 2020

©ジョージア・パワー社

米ジョージア州でA.W.ボーグル原子力発電所3、4号機(各110万kWのPWR)を増設中のジョージア・パワー社は5月12日、3号機の原子炉容器上部に「一体化上部カバー(IHP)」を据え付けたと発表した(=写真)。同プロジェクトは米国で約30年ぶりの新設計画であり、3号機の燃料初装荷および両炉それぞれの2021年11月と2022年11月の完成に向け、建設工事はまた一歩前進したと強調している。

米国で初めて、ウェスチングハウス社の「AP1000」設計を採用した両炉のIHPは、高さ約15 m、重さ約216トンの一体型機器で、長さ5 km以上の電気ケーブルなどが納められている。高度な訓練を受けた運転員が原子炉容器内の核反応を監視・制御する際に使用する。

IHPの据え付けは、原子炉容器を開放した状態で実施する試験に続いて行われたが、同社によればこの試験で、3号機の主要安全システムから原子炉容器まで水流が滞りなく通じることが実証された。また、同炉で燃料を装荷する前の重要試験となる耐圧漏洩試験と温態機能試験の実施準備が整ったとしている。

このほか同社は、4号機でも格納容器を取り囲む遮へい建屋のパネル16段のうち12段まで設置したと説明。遮へい建屋は「AP1000」設計に特有の構造で、格納容器の外側に壁をさらに一層追加することで、原子炉構造物を外部からの衝撃から防護することになる。

ジョージ―ア・パワー社は3、4号機建設工事の進展では、それぞれ157体の燃料集合体を初装荷燃料として発注し、格納容器に上部ヘッドの設置が完了している。また、緊急時対応で初めての演習を実施し、緊急時に周辺住民を確実に防護するためのプランについて包括的なレビューを行った。さらに両炉の運転で必要な複数年の運転員訓練を、原子力規制委員会(NRC)の検定試験をもって完了した。

これらのほかに、過去数か月間には3号機の運転員が機器・システムの試験や安全な起動で重要となる機器をモニター・制御するため、中央制御室の運用を開始。同炉の遮へい建屋には、重さ約910トンの円錐形の屋根を設置している。

(参照資料:ジョージア・パワー社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)

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