インド 小型炉の民間提案期限を再延長
17 Oct 2025
インド原子力発電公社(NPCIL)は、9月29日、バーラト小型炉(BSR、バーラトはヒンディ語で「インド」の意)の建設に向けた民間企業からの提案依頼書の提出期限を、2026年3月31日まで延長すると発表した。より多くの企業からの参加を促すことが狙い。
この募集は2024年12月から始まり、当初の締め切りは2025年3月末だったが、6月末、9月末と延長を重ね、今回で3度目の延期となる。NPCILによると、参加を検討している企業から「建設候補地の評価や設備投資、運転保守管理コストの算定などに時間が必要」との声が寄せられたほか、新たに参入を希望する企業も増えているため、期限を延長したという。
これまでに提案書を提出したのは、ヒンダルコ・インダストリーズ、ジンダル・スチール・アンド・パワー、タタ・パワー、リライアンス・インダストリーズ、JSWエナジー、アダニ・パワーの6社。すでにそれぞれが建設候補サイトを選び、16サイトの予備調査報告書を提出している。NPCILは、候補地として挙がったうちのグジャラート州、マディヤ・プラデーシュ州、オリッサ州の3州に対し、現地調査や土地・水資源の確保などで協力を求めている。
BSRは出力22万kWの小型加圧重水炉(PHWR)で、自家発電用に設計されている。インド政府は2047年までに原子力発電設備の容量を今の10倍以上に拡大し、2070年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする(ネットゼロ)目標を掲げ、これまで国の独占だった原子力部門の民間参入を進めている。